◎約60人が負傷し、その数は増えるかもしれないが、今のところ死者は報告されていない。
ケニアの首都ナイロビで13日、ルト(William Ruto)新大統領の就任式が行われた。
AP通信によると、会場のスタジアム入り口などで群衆事故が発生し、少なくとも60人が負傷したという。
スタジアムに入りたい人々は入り口に殺到し、フェンスを乗り越え、壁をよじのぼり、警察官にタックルした。
AP通信は治安筋の話を引用し、「約60人が負傷し、その数は増えるかもしれないが、今のところ死者は報告されていない」と報じた。
ルト氏の姿を一目見たい人々は治安部隊をかわそうとしたが、失敗した人もいた。ある男性はAPに、「警棒で殴られたので退散した」と語った。
ルト氏は8月9日の大統領選で野党党首オディンガ(Rila Odinga)議員を僅差で破り勝利した。
オディンガ氏は結果に異議を唱えたが、最高裁はこれを退けている。
ルト氏はケニヤッタ(Uhuru Kenyatta)前大統領の副大統領を2期務めたが、政策で何度も対立し、今年関係が著しく悪化。ほとんど口を利かなくなったと伝えられている。
ケニヤッタ氏は今週、初めてルト氏の勝利を認め、祝福した。
ルト氏は民主主義を守り、反対意見を尊重し、力でねじ伏せるようなことはしないと宣言している。
一方、オディンガ氏はSNSを駆使してルト氏を祝福しないよう支持者に呼びかけている。同氏は12日の声明で、「民主主義の深化と強化を目指す新たな取り組みを近々発表する」と述べた。
オディンガ氏の広報担当はAP通信の取材に対し、「2017年の選挙で敗れた時のように国民の大統領になる、と宣言する可能性は低い」と述べた。
ケニヤッタ氏とルト氏はともに、2007年の選挙後の暴力事件に関与したとして起訴されたが、紆余曲折の末、事件は解決した。二人は証人に圧力をかけたと噂されている。
ルト氏は貧困層の生活を向上させるという公約を掲げ、多くの支持を集めた。