◎イランは米国が制裁を解除すれば核合意は良い方向に進むと示唆している。
2019年2月11日/イラン、首都テヘラン近郊、星条旗を燃やす人々(Getty Images)

英仏独政府は10日、イランに対し、核開発を制限するイラン核合意の再締結に合意するよう迫った。

欧州のリーダーである3カ国は共同声明で、「イランは合意再開に向けた協議が進む中で別の問題を提起し、核開発を加速させようとしている」と非難した。

3カ国は「別の問題」の詳細を明らかにしていない。

トランプ(Donald Trump)前米大統領は2018年にイラン核合意から離脱し、イランの外国資産を凍結したうえで、イランの原油、天然ガス、石油化学製品などに対する投資を禁止した。しかし、イランは制裁発動も中国などに原油を輸出し続けている。

イランはトランプ政権の制裁に核開発で対抗し、遠心分離機数百基を稼働させ、IAEA(国際原子力機関)を核施設から締め出し、ウラン濃縮をスピードアップさせた。

IAEAは7日、イランが高濃縮ウランの備蓄をさらに増やし、兵器級レベルまであと一歩のところに近づいていると警告した。

米国はイランの申し出に疑問を呈してきたが、イランは先週、核合意を復活させるロードマップの最終案をめぐる交渉で回答書を提出した。

双方は交渉の詳細を明らかにしていない。バイデン(Joe Biden)大統領は以前、イランが核開発を放棄すると約束するのであれば、制裁緩和に向けた交渉に応じるという見方を示していた。

一方、イランは米国が制裁を解除すれば核合意は良い方向に進むと示唆している。

イラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止しているが、IAEAによると、イランは60%の高濃縮ウランを生産し続けている。

<ウラン(U-235)の濃縮度>
・0.7%:標準
・2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
・3.67%以下:イラン核合意の規定値
・20%以上:高濃縮ウラン
・90%以上:核兵器用

米国は今週、イランがNATO加盟国のアルバニアにサイバー攻撃を仕掛けたとして、新たな制裁を科した。

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