◎アフリカ最大の原油輸出国であるナイジェリアの盗掘は常軌を逸している。
ナイジェリア南部の違法製油所(ロイター通信)

ナイジェリア政府は9日、同国の原油生産量が盗掘や違法製油所の影響で日量100万バレルを下回ったと報告した。

政府の原油生産量を監視する委員会が公表したデータによると、同国の石油とコンデンセートの8月の生産量は日量118万バレルとなり、今年の最低値を更新した。

石油輸出国機構(OPEC)のデータと比較すると生産量の落ち込みは顕著である。それによると、1997年以来、ナイジェリアの生産量がここまで落ち込んだのは初めて。

また、全国でイスラム過激派組織などの武装勢力が攻勢を強めた2009~2010年と2016年でも、日量140万バレルを下回ることは一度もなかったという。

石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルの幹部は7月、アフリカ最大の原油輸出国であるナイジェリアの盗掘は常軌を逸しており、存続の危機と言っても過言ではないと警告していた。

ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領も盗掘と違法製油所が国の財政に大打撃を与えていると認めている。

OPECのデータによると、ナイジェリアの7月生産量はアンゴラを下回った。

今年の最高記録は1月の日量168万バレルだったが、専門家によると、同国は日量200万バレルを生産できる能力を持っているという。

ナイジェリア国営石油公社(NNPC)は今月、会社の油田から原油が盗まれ、操業を停止したため、生産量が大幅に減少したと報告した。

一部の企業は特定のパイプラインから供給量の80%以上が盗掘されたと報告している。

NNPCの労働組合は今週、組合員の安全を考慮し、政府が盗難防止対策を取らない場合、ストを決行すると警告した。

2019年8月8日/ナイジェリアの違法製油所(Afolabi-Sotunde/ロイター通信)
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