◎ウクライナ政府は周辺国との電力取引を加速させたいと表明している。
ポーランドのモラウィエツキ(Mateusz Morawiecki)首相は9日、エネルギー危機緩和に向けた取り組みをウクライナと協力して行う準備を進めていると発表した。
モラウィエツキ氏とラトビアのレヴィッツ(Egils Levits)大統領はウクライナの首都キーウを訪問し、ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領と会談した。
3首脳は軍事、エネルギー安全保障、EUのロシア産化石燃料依存を低下させる取り組みなどについて協議した。
モラウィエツキ氏はゼレンスキー氏がポーランドの政策に理解を示し、短期間で必要な支援を提供する用意があると表明したことに謝意を示した。
またモラウィエツキ氏はロシア産石炭の輸入を停止したため、代替国から石炭をかき集めていると明らかにし、ウクライナの電力を購入したいと表明した。
ゼレンスキー氏は「両首脳と将来のエネルギー危機を克服する措置について協議した」と述べた。ウクライナ政府は周辺国との電力取引を加速させたいと表明している。
ポーランド政府報道官によると、3首脳はポーランドへの入国を希望するトラックが増えていることを受け、国境警備を緩和する方法についても議論したという。
ポーランドとラトビアはウクライナの避難民を積極的に受け入れている。特にポーランドは数百万人を受け入れるだけでなく、西側の兵器供給の窓口にもなっている。
モラウィエツキ氏はウクライナ軍が東部ハルキウ州をロシア軍から奪還したことに謝意を示す一方、EUのウクライナ財政支援数十億ユーロの提供が遅れていると示唆した。
EUの執行機関である欧州委員会はウクライナへの長期支援50億ユーロを拠出すると表明している。EU加盟27カ国は独自の財政・軍事支援を提供している。