◎国営電力会社の職員を乗せたトラック2台は6日、北部ソノラ州の高速道路で何者かの攻撃を受け、大破した。
メキシコ政府は8日、北部の国営電力会社職員2人が殺害された事件について、麻薬カルテルが関与している可能性があると発表した。
報道によると、麻薬カルテルの縄張り争いに巻き込まれる一般市民の数は増加傾向にあり、組織を否定する町や個人が攻撃対象になっているという。
電力会社の職員を乗せたトラック2台は6日、北部ソノラ州の高速道路で何者かの攻撃を受け、大破した。職員数人は難を逃れたものの、2人が射殺された。
オブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領は声明で、「ソノラ州の米国境近くの地域ではギャング間抗争が繰り広げられている」と説明した。
AP通信は情報筋の話を引用し、「国境近くの2つの村で停電が発生しており、ギャングが電力設備を破壊した可能性がある」と報じている。
オブラドール氏はギャングが電力会社のトラックを敵対組織のものと勘違いした可能性があるという見方を示す一方、「2つの村の停電を解消しに来た職員が狙われたという情報もあり、警察が慎重に捜査を進めている」とした。
西部ミチョアカン州では抗争中の麻薬カルテルが敵対するカルテルを支持しているように見える村の電柱を破壊したり、道路に溝を掘るなどしている。
しかし、カルテルが公益事業分野の労働者を直接攻撃することはほとんどなく、6日の襲撃は異例とみられている。
ソノラ州ではメキシコで最も治安の悪い都市シウダー・フアレスに拠点を置く麻薬組織ラ・リネアやシナロアカルテルの一派を含む複数のギャングが長年にわたり抗争を繰り広げている。
2019年11月に同州の町で9人が殺害された事件もカルテルの対立が原因と考えられている。カルテルの刺客とみられる戦闘員は子供6人と女性3人を蜂の巣にした。容疑者は捕まっていない。警察はラ・リネアの戦闘部隊がライバルカルテルの関係者を殺害するために待ち伏せ攻撃を仕掛けたと考えている。