◎インドネシアで燃料価格が引き上げられたのは約8年ぶり。
インドネシアの首都ジャカルタで6日、燃料価格引き上げに抗議するデモが行われ、労働組合員や学生など数百人が参加した。
ジョコ(Joko Widodo)大統領が3日に発表した全国の燃料価格一律30%引き上げは労働組合の怒りに火をつけたようだ。
報道によると、参加者は労組、農家、漁師、教師、学生などで構成され、数百人がジャカルタの議会議事堂前でシュプレヒコールを上げたという。
ジョコ氏は3日の声明で、「世界規模の原油・ガス価格の高騰により、政府のエネルギー対策費用は当初予算の3倍に相当する340億ドルに達した」と説明。補助金の打ち切りに理解を求めた。
インドネシア労働組合総連合(KSPI)の書記長は集会で、「燃料ではなく賃金を引き上げなければならない」と参加者に呼びかけた。
その後、KSPIはウェブサイトとSNSに声明を投稿。ジャカルタと25の州で抗議デモを行い、政府が要求を受け入れるまで抗議し続けると表明した。
一部の労組はゼネストを呼びかけている。
インドネシアで燃料価格が引き上げられたのは約8年ぶり。
南スラウェシ州マカッサルでは5日と6日に集会が開かれ、学生数百人が参加。引き上げはコロナの流行で大ダメージを受けた観光業界や貧困層を追い詰めると訴えた。
インドネシア政府は何十年もの間、燃料に補助金を出してきた。
過去の燃料やその他の商品の値上げに抗議するデモは暴動に発展したことがある。独裁者スハルト(Suharto)元大統領を倒すきっかけとなった暴動も値上げに抗議する学生デモが発端であった。