◎人口約1万人のツバルは独立国家である台湾と外交関係を結ぶ14カ国の1つであり、40年以上関係を維持している
南太平洋の島国ツバルは5日、インド太平洋地域で影響力を強めている中国の圧力に屈せず、台湾との完全な外交関係を堅持すると約束した。
人口約1万人のツバルは独立国家である台湾と外交関係を結ぶ14カ国の1つであり、40年以上関係を維持している。
ツバルのナタノ(Kausea Natano)首相は蔡英文(Tsai Ing-wen)総統が主催した歓迎式典で、「共通の価値観が両国の絆を支えてきた」と語った。
またナタノ氏は中国を念頭に置き、「地政学的な思惑が交錯する激動の時代にあっても、ツバルは台湾との永続的かつ忠実な同盟国であり続ける、と決意を固めている」と述べ、チェイニーズ・タイペイではなく台湾と言及した。
「ツバルは民主主義、信頼、人権、個人の自由という原則の上に築かれた両国の完全な外交関係を堅持します」
ナタノ氏が台湾を訪問したのは2019年の就任以来初。
蔡総統は両国の強い友情を称え、ツバルが世界の舞台で台湾のために発言し、国際参加を支援していることに謝意を示した。「ツバルのかけがえのない友情に心より感謝申し上げます...」
台湾は2019年、ソロモン諸島とキリバスという2つの太平洋同盟国を中国に奪われた。ナウル、パラオ、マーシャル諸島はツバルと同様、台湾と米国の横に立っている。
ソロモン諸島は中国と米国の対立激化の焦点となっている。ソロモンは今年4月、中国と安全保障協定を締結したが、国内に中国人民解放軍が駐留することはないと主張している。
しかし、多くの専門家がソロモン諸島は中国の「債務トラップ」に引っ掛かり、領土の一部を「割譲」することになるのではないかと懸念している。
ソロモンの台湾国交断絶は同国の国民にも不安を与えている。
首都ホニアラで昨年11月に発生した暴動では少なくとも3人が死亡し、ソロモンと安全保障条約を結んでいるオーストラリアが警察を派遣する事態に発展した。
米国はホニアラの大使館を再開する予定であり、この地域の外交・安全保障への支援を強化すると約束している。バイデン(Joe Biden)大統領は9月28~29日にかけてワシントンD.C.に太平洋島嶼国の首脳を招く予定である。