◎フライン氏は極東ウラジオストクで開催される東方経済フォーラムに出席する予定。
ミャンマーの国営メディアは3日、軍事政権の指導者であるフライン(Min Aung Hlaing)司令官が来週ロシアを訪問すると報じた。
国営英字紙「グローバル・ニュー・ライト・オブ・ミャンマー」によると、フライン氏は極東ウラジオストクで開催される東方経済フォーラムに出席する予定だという。
このフォーラムには中国、日本、インド、カザフスタンなどの代表も出席する。
報道によると、フライン氏はロシア政府高官とも会談し、両国の経済や政府間の協力と友好関係をさらに強固なものにする予定だという。
フライン氏率いる反乱軍は昨年2月の軍事クーデターでアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏を含む文民指導者を追放。西側諸国の制裁に苦しみながらも、中露との関係を強化することで何とか経済を回してきた。
一方、ASEAN(東南アジア諸国連合)は先月、ミャンマー軍をグループ会議から完全に締め出すと決定したため、今年11月にカンボジアで予定されている首脳会議にフライン氏が出席する可能性は低いとみられる。
ASEANは昨年、▽暴力の即時停止▽ASEAN特使の任命▽すべての利害関係者が参加する協議を行うようミャンマー軍に求めた。
しかし、文民政府の復帰を求める民主派勢力とミャンマー軍の対立はクーデターから1年半以上たった今も続き、これまでに民間人2200人以上が死亡している。
一方、ロシアは2月のウクライナ侵攻開始以来、反米諸国とのつながりを強化してきた。
フライン氏は主要な同盟国兼兵器供給者であるロシアとのつながりを深めようとしている。
フライン氏は7月にモスクワを私的に訪問し、国営宇宙開発企業ロスコスモスや原子力機関の関係者と会談したとされる。
8月上旬に首都ネピドーを訪問したロシアのラブロフ(Sergei Lavrov)外相は、ミャンマー軍の安定化と来年の国政選挙実施に向けた取り組みを支持すると表明した。
これに対し、米国のブリンケン(Antony Blinken)国務長官は国際社会に対して、ミャンマー軍の見せかけの選挙を断固として拒否するよう求めた。