◎MAGA=Make America Great Again(米国を再び偉大な国にする)
◎トランピズム=トランプ+ポピュリズム
MAGA帽子をかぶって演説するトランプ氏(Getty Images)

米国のバイデン(Joe Biden)大統領は1日、トランプ(Donald Trump)前大統領のMAGAアジェンダを信奉する支持者が民主主義を脅かしている警告した。

バイデン氏は独立宣言が署名されたペンシルベニア州フィラデルフィアの独立記念館で演説を行い、トランピズムが米国の民主主義を脅かし、後退させていると指摘した。

「MAGA軍団はこの国を後退させようとしています」

共和党のマッカーシー(Kevin McCarthy)下院院内総務はこの演説を一蹴し、「バイデンは米国の魂に傷を負わせた」と反撃した。

11月に予定されている中間選挙はバイデン氏の政権運営に大きな影響を与える可能性が高い。

バイデン氏は2020大統領選でトランプ氏に投票した7400万人全員を非難しているわけではないと前置きし、「大半の共和党員はMAGA軍団ではない」と述べた。

「しかし、今日の共和党はトランプ氏とMAGA軍団に支配され、牽引され、威圧されています。そして、それはこの国の脅威になりました」

バイデン氏は、「MAGA軍団は昨年1月の議事堂襲撃事件に関与した暴徒を愛国者と考えている」と述べ、有権者に米国の民主主義を守るために行動(投票)しなければならないと訴えた。「長い間、私たちは米国の民主主義は不変だと信じていました。しかし、今はそうではありません。私たちは守らなければなりません...」

全国中継された演説の途中、共和党の支持者と思われるグループがバイデン氏に罵声を2度浴びせ、大騒ぎした。

バイデン氏はこの騒ぎに言及し、「彼らには発言する権利がある」と呼びかけた。

分断した米国をまとめ上げると宣言して就任したバイデン氏は最近、極端な共和党員に対する口撃を強化している。

バイデン氏は先週、極端な共和党員を「ファシズム」と同一視した。

中間選挙で多数派奪還を目指す共和党のマッカーシー氏もペンシルベニア州で講演を行い、バイデン氏を厳しく非難した。

マッカーシー氏はMAGA帽子をかぶった支持者に、「バイデンは米国を分断し、卑下し、軽蔑する道を選んだ」と叫んだ。「あの男に大統領は無理です。リーダーシップのかけらもない!」

またマッカーシー氏はバイデン氏が極端な共和党員をファシストと同一視したことについて、「あの男は偉大な米国民数千万人を公の場で中傷した」と非難し、謝罪を要求した。

マッカーシー氏はインフレ、国境開放政策、コロナの拡大による学校閉鎖、アフガンからの情けない撤退、過去20年で最悪といわれる犯罪率はバイデン氏の政策がもたらしたものと主張した。

「あの男はこの2年間何をしていたのですか?インフレ、インフレ、国境開放、コロナ、アフガン失敗撤退。あの男は米国の魂、国民、法律、最も神聖な米国の価値観を破壊したのです。あの男の政策は米国の魂に深刻な傷を負わせ、米国の精神を低下させ、そして、国民の信頼を裏切ったのです」

最新の世論調査によると、バイデン氏の支持率が回復する兆しは見えず、むしろ悪化している。11月の中間選挙で民主党が上院または下院の過半数を失えば、さらに厳しい政権運営を強いられることになるだろう。

共和党有権者はSNSにバイデン氏を非難するコメントや動画を多数投稿している。

一方、民主党有権者はこれに負けじとMAGA軍隊を馬鹿にする写真や動画を投稿し、分断に拍車をかけた。

テキサス州の田舎町でこの演説を見たというツイッターユーザーは、「ガソリン価格の高騰に対応してほしい」とまじめに訴えた。「トランプ大統領の時代に比べると、あまりに高すぎます....」

自称生涯共和党員を名乗るツイッターユーザーは、「トランプ氏の支持を受けた共和党候補には絶対投票しない」と投稿している。「残念ながら、トランプ氏が大統領だったとしても、今の米国の景気低迷を防ぐことはできなかったでしょう。プーチンはビジネスマンではありません...」

トランプ氏はもちろん中間選挙に立候補しないが、その存在とネームバリューは共和党候補の背中を後押しするだろう。

トランプ氏は今週末、ペンシルベニア州スクラントンで集会を開く予定だ。この州の共和党候補の何人かは、トランプ氏の支援を受け、指名を勝ち取った。

2022年9月1日/ペンシルベニア州フィラデルフィア、バイデン大統領(Evan Vucci/AP通信)
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