◎当局はラマポーザ氏が盗難外貨数百万ドルを「ねこばば」したのではないかと疑っている。
南アフリカのラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は30日、自身の農場に数百万ドルを隠していたスキャンダルについて、野党から厳しく追及され、顔をしかめた。
ラマポーザ氏は自身の農場に隠されていた盗難外貨数百万ドルの存在を隠蔽したと元国家安全保障局長官に告発され、尻に火が付いた。
この告発は汚職の撲滅を公約に掲げるラマポーザ氏の評判をひどく傷つけている。
地元メディアはこのスキャンダルを米国のウォーターゲート事件および、ジョンソン(Boris Johnson)英首相が関与したパーティーゲート事件をもじって「ファームゲート事件」と呼んでいる。
ラマポーザ氏は「なぜ盗難外貨が農場に保管されていたのか」という野党議員の罵声に直面した。報道によると、一部の野党議員と警備員が衝突したため、ラマポーザ氏はすべての質問に答えることができなかったという。
ラマポーザ氏は自身の牧場で外貨が見つかったことは認めたが、それは牧場の運営で得たものであり、「いかなる犯罪行為にも関与していない」と説明している。
しかし、当局はラマポーザ氏が盗難外貨を「ねこばば」したのではないかと疑っている。
ラマポーザ氏は野党の質問に対し、「当局の調査が完了するまで、この問題に関する質問には応じられない」と述べた。
またラマポーザ氏は当局の調査に全面協力し、すべての質問に適切に答えていると述べ、野党に理解を求めた。「私は私の農場で発生した問題について、当局に事実を伝え、質問に答え、これからも必要な情報はすべて提供するつもりです!」
しかし、一部の野党議員はラマポーザ氏は起訴されておらず、当局の調査に影響を与える可能性があるという理由で質問に答えないのはおかしいと反論した。
その後、急進左派政党「経済的解放の闘士(EFF)」の少なくとも3人が叫び声をあげ、国会の秩序を乱したとして退場させられた。
3人は警備員に立ち向かい、「泥棒大統領」「恥知らず」「大馬鹿もの」などと叫びながらラマポーザ氏につかみかかろうとしたが、阻止された。
国会は30日、このねこばば疑惑を調査する独立した専門家委員会を立ち上げることに合意した。報告書は国会の情報委員会に提出される予定。
ラマポーザ氏は2024年の大統領選(総選挙)で再選を目指している。