◎ツインタワーは1棟が29階建て、もう1棟は32階建て。入居者は決まっていない状態だった。
2022年8月28日/インド、首都ニューデリー郊外、ツインタワー爆破の瞬間(Altaf Qadri/AP通信)

インドの首都ニューデリーで28日、建築基準法違反のツインタワーが爆破解体された。

高さ約100mのタワーが砕け散るおよそ7時間前、付近の1500世帯以上が避難した。

このツインタワーは1棟が29階建て、もう1棟は32階建て。入居者は決まっていない状態だった。

ロイター通信は政府当局者の話を引用し、「爆破はおおむねうまくいった」と報じている。

爆破は数秒で終了したが、がれきの撤去には3カ月ほどかかる予定だ。

この爆撃は周辺住民とタワーの建設業者の12年におよぶ法廷闘争の末、実行された。

最高裁は今年、この建設業者と政府が建築基準法に違反したと裁定した。判決によると、業者と政府担当者は法律で定められている高層マンションと近隣建物の距離を確保せず、工事を強行したという。

また最高裁は、業者と政府担当者が周辺住民の同意を得ずに工事を強行したとしている。

爆破に先立ち、タワーの周囲には足場、フェンス、バリケード、ホコリを防ぐカバーが設置された。

報道によると、付近の住民は専門家が取り壊しの影響を調査した後、自宅に戻る予定。いくつかのアパートは爆心地からわずか9mしか離れていない。なお、インドの建築基準法は高層マンションと近隣建物の離隔距離を20mと定めている。

爆破解体工事を請け負った南アフリカの「Jet Demolition」は声明で、「この解体は世界のトップ5に入る」と述べている。同社によると、タワーの柱や梁に開けられた数千の穴に3500kgの爆薬が埋め込まれた。

AP通信は同社の声明を引用し、「この地域の建物は解体の振動よりはるかに強い衝撃に耐えるよう設計しなければならないため、付近の建物が影響を受けることはない」と報じている。

ギネスワールドレコーズによると、爆発解体された世界で最も高いビルは高さ165m。2020年11月27日にUAE(アラブ首長国連邦)のアブダビで爆破されたビルだという。

2022年8月28日/インド、首都ニューデリー郊外、ツインタワー爆破で発生した土埃(Altaf Qadri/AP通信)
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