◎アフガンの人権はこの1年で著しく後退した。
アフガニスタンを統治するタリバンは13日、首都カブールで行われた女性の権利保護を訴えるデモ隊に銃を向けた。
報道によると、タリバンの戦闘員は空に向けてマシンガンを乱射し、女性数十人に解散を命じ、携帯電話を奪い、数人を突き飛ばした。
アフガンの人権はこの1年で著しく後退した。
デモ隊は「パン・仕事・自由」と要求を唱え、「8月15日は黒い日」と書かれた横断幕を掲げた。タリバンは昨年8月15日にカブールを制圧した。
デモに参加した女性はAFP通信の取材に対し、「今回はあまり殴られなかった」と語った。
この女性によると、数カ月前のデモでは参加した女性の大半が殴られたり突き飛ばされたりしたという。しかし、13日は主に銃で威嚇し、突き飛ばされた抗議者は少なかったとみられる。
タリバンはこの1年、女性の自由を制限する様々な法律を施行した。
少女は中等教育から排除された。女性は仕事を奪われ、単独で70km以上移動することを禁じられている。
今年5月には数十年ぶりにブルカ(目以外を覆うイスラム教のヴェール)の着用を強制した。ブルカ着用令は比較的緩いものの、タリバン戦闘員の指示を無視した場合、違反者の家族が3日間刑務所に送られる可能性がある。
カブールではこの1年、小規模な抗議デモが散発的に行われてきたが、タリバンに反対する意見はすべてつぶされている。
アフガンは世界で唯一、公式に教育を性別で制限している国である。これはタリバンをアフガンの公式政府と認めるうえで最も大きな障害のひとつとなっている。
西側諸国は女性と少女に対するタリバンの弾圧を非難し、それが解消されない限り援助は再開しないと示唆している。米国とNATOの同盟国は昨年8月、アフガンへの援助をすべて停止し、アフガン中央銀行の海外資産を凍結した。