◎スリランカの市民はラジャパクサ一族が国を破滅に追いやったと非難し、数カ月に及ぶ大規模な街頭抗議デモを行ってきた。
(Tananchai-Keawsowattana/AP通信).jpg)
タイ政府は11日、スリランカからシンガポールに逃亡したラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)前大統領が首都バンコクの空港に到着したと発表した。
現地メディアによると、ラジャパクサ氏は11日夜に到着し、VIPエリアでチェックを受け、どこかに消えたという。
国営テレビはドンムアン国際空港のVIPホール前でラジャパクサ氏とその妻と思われる女性がリムジンに乗り込む様子を報じた。
タイ政府報道官は11日、スリランカ政府からラジャパクサ氏の入国を許可するよう要請を受け、一時滞在を許可したと発表した。
プラユット(Prayut Chan-O-Cha)首相は今週、「ラジャパクサ氏が入国を希望していることを認識しており、第三国への亡命を求めているため、人道的な理由で一時滞在を許可した」と説明していた。
またプラユット氏は「ラジャパクサ氏は滞在中、政治的活動は行わない」としている。
ラジャパクサ氏は渡航計画を公にしていない。
同氏は先月、軍用機でスリランカを脱出し、隣国モルディブに移動。その後シンガポールに移動し、ビザが11日に切れるため、タイに飛んだ。
スリランカの市民はラジャパクサ一族が国を破滅に追いやったと非難し、数カ月に及ぶ大規模な街頭抗議デモを行ってきた。
デモ隊は先月、首都コロンボの大統領府や公邸を占拠し、世界に衝撃与えた。ラジャパクサ氏は選挙前にスリランカを離れ、その後まもなくメールで辞表を提出、受理された。
後任のウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領は現在、国際通貨基金(IMF)と救済交渉を行っている。
タイ外務省の報道官は10日、ラジャパクサ氏の滞在は一時的なものであり、タイへの政治亡命は求めていないと述べた。同氏は外交パスポートを所持しているため、ビザなしで90日間の滞在を許可されるという。
ラジャパクサ氏はスリランカを破産させたという批判だけでなく、2009年に終結した内戦で戦争犯罪に関与したとして、人権団体から告発されている。
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