◎アフガンではこの数カ月、イスラム国関連グループのひとつであるIS-Kによるテロ攻撃が相次いでいる。
2022年8月5日/アフガニスタン、首都カブールのモスク前、シーア派最大の宗教行事アシュラ(Ebrahim Noroozi/AP通信)

アフガニスタン政府は5日、首都カブールのシーア派が多く住む地域のモスク近くで爆弾が爆発し、少なくとも8人が死亡、18人が負傷したと発表した。

タリバンによると、爆弾は荷車に隠されていたという。

カブール警察の報道官は記者団に対し、「西部のイスラム教シーア派系住民の居住区で爆弾が爆発した」と語った。

ロイター通信によると、イスラム国(ISIS)が犯行声明を出したという。アフガンではこの数カ月、ISIS関連グループのひとつであるIS-K(イスラム国ホラサン)によるテロ攻撃が相次いでいる。

報道官はテロ攻撃を非難し、「聖なる日に善良な市民が殺害された」と怒りをあらわにした。報道によると、爆発に巻き込まれたモスクではシーア派最大の宗教行事アシュラが行われていたという。

アシュラは喪に服す月「ムハッラム」の10日目に行われ、預言者ムハンマドの孫で7世紀に殺害されたシーア派指導者フセインを悼む行事である。

IS-Kの主な標的はシーア派を含む少数民族で、自爆テロや爆弾テロを繰り返している。

タリバンはISISの取り締まりを強化しているとみられるが、テロ攻撃が収まる気配はない。

3日にはタリバンとISIS戦闘員の銃撃戦で警察官2人を含む5人が死亡した。犯行声明は出ていないが、この攻撃にもIS-Kが関与しているとみられる。

一方、カブール中心部では反米集会が開かれ、アルカイダの指導者ザワヒリ(Ayman al-Zawahiri)容疑者の殺害は国際原則と、米政府が2020年にタリバンと結んだアフガン撤退合意に違反すると非難した。

デモ参加者は「米国に死を」と書かれた横断幕を掲げ、市内を行進した。

タリバンはザワヒリがCIA(中央情報局)のドローン攻撃で殺害されたことと、ザワヒリがカブールに潜伏していたことを「全く知らない」としている。

米軍はアフガンから完全撤退しているため、CIAがどこからドローンを飛ばし、ザワヒリの死をどのように確認したかは不明である。

タリバンがザワヒリの存在を知らなかったと主張しているにもかかわらず、米当局はザワヒリがタリバンの副指導者が関連するカブールの隠れ家に滞在していたと報告している。CIAはザワヒリがバルコニーにいたところを狙ったという。

この攻撃はタリバンと西側諸国の関係をさらに悪化させる可能性がある。

アフガンの経済は西側の厳しい制裁で崩壊し、人口の90%以上が食料の確保に苦労し、人道団体の支援に頼っている。

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