◎パキスタンの法律は政治家や政党への寄付を認めていない。
2022年4月23日/パキスタン、首都イスラマバード、カーン前首相(Rahmat Gul/AP通信)

パキスタンの選挙管理委員会は2日、カーン(Imran Khan)前首相が海外から献金を受け取っていたと発表した。

報道によると、カーン氏は外国企業から献金を受け取っていたとみられる。

パキスタンの法律は政治家や政党への寄付を認めていない。

カーン氏は2014年にも違法献金を受領したとして告発されている。

選管は2日、カーン氏が米国、イギリス、オーストラリア、UAE(アラブ首長国連邦)などに拠点を置く外国企業から寄付を集めていたと結論づけた。

また選管はカーン氏が企業から受け取ったとされる資金を差し押さえるよう勧告した。

2014年の告発に関与した関係者はこの告発を歓迎し、カーン氏を逮捕するよう訴えた。

しかし、カーン氏が党首を務める「パキスタン正義運動(PTI)」は選管の告発を一蹴した。

PTIの報道官は2日、「カーン氏は献金を受け取ったことも、外国企業から支援を受けたこともない」と主張した。

報道官は裁判に打って出るとしたが、詳細は明らかしなかった。

シャリフ(Shehbaz Sharif)首相は2日、「選管の調査と告発はカーン氏が嘘つきであることを証明している」とツイートした。

シャリフ氏の政党「パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派」はカーン氏に党首を辞任するよう求めている。

地元メディアによると、カーン氏は今のところコメントを発表していない。しかし、同氏は先週、首都イスラマバードで集会を開き、選管に反対するデモを開くよう支持者に呼びかけていた。

カーン氏は4月に不信任決議で追放されて以来、政府と司法を厳しく批判している。

ある地元メディアは当局筋の話を引用し、「カーン氏は司法がシャリフ派に有利な判決を下す可能性があると懸念している」と報じている。

カーン氏は1996年にパキスタン正義運動を立ち上げ、2018年に首相に就任した。しかし、国の経済を立て直すことはできず、支持を失い、4月の不信任決議で退陣した。

中露との関係を重視するカーン氏は不信任決議を「米国の陰謀」と非難したが、米国はこれを強く否定している。

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