◎イランでは先週から広い範囲で大雨が続き、全国31州のうち18州で被害が報告された。
イランの国営メディアは28日、首都テヘラン近郊で豪雨による洪水や土砂崩れが発生し、少なくとも6人が死亡、14人が行方不明と報じた。
国営イラン通信(IRNA)によると、アルボルズ山脈の麓に位置するイマムザデダウドでは28日未明の大雨で地盤が緩み、土砂が市街地に流れ込んだという。
イマムザデダウドでは2015年にも泥流が発生し、14人が死亡している。
救助隊はスコップで泥をかき出し、行方不明者を捜索した。
IRNAによると、テヘランの東に位置するダマバンドでも土砂崩れが発生し、これまでに1人の死亡を確認したという。
IRNAはイマムザデダウドで捜索活動に当たった救助隊の話を引用し、「少なくとも14人が土砂崩れに巻き込まれたとみられる」と報じている。報道によると、救助隊は28日の現地時間22時時点で捜索を継続しているという。
イマムザデダウドで負傷者を支援しているイラン赤新月社はIRNAに、「これまでに5人の死亡を確認し、少なくとも9人が負傷した」と説明した。
イランでは先週から広い範囲で大雨が続き、全国31州のうち18州で被害が報告された。
南東部シスタン・バルチスタン州では鉄砲水で5人が死亡。南西部フゼスタン州でも負傷者が出たと伝えられている。
気象当局は27日、テヘラン近郊の山間部で大雨と洪水が発生する可能性があると警告していた。
南部ファルス州郊外で先週末に発生した鉄砲水では少なくとも21人が死亡し、同州内の12の村が被害を受けたと報告されている。
この鉄砲水は河川の上流でまとまった雨が降り発生したとみられる。ファルス州の住民は干ばつに悩まされている。