◎国営メディアによると、4人はテロ対策法と刑法に基づき起訴され、公正な手続きの下で死刑に処されたという。
ミャンマーの国営メディアは25日、軍事政権に反対する民主活動家4人の死刑が執行されたと報じた。
報道によると、処刑されたのは以下の4人。
▽チョウミンユー氏(Kyaw Min Yu)
▽ピョーゼヤトー氏(Phyo Zeya Thaw)
▽フラミョーアウン氏(Hla Myo Aung)
▽アウントゥラゾー氏(Aung Thura Zaw)
チョーミンユー氏は作家兼活動家で、ジミーと呼ばれていた。ピョーゼヤトー氏は元議員。フラミョーアウン氏とアウントゥラゾー氏も軍事政権に強く反対していたとみられる。
4人は今年1月、非公開の秘密裁判で死刑を宣告され、6月に刑が確定した。
国営メディアによると、4人はテロ対策法と刑法に基づき起訴され、公正な手続きの下で死刑に処されたという。
軍事政権に対抗する形で発足した国家統一政府(NUG)は怒りと悲しみを表明し、死刑を「殺人」と呼び糾弾した。
NUGは国際社会に対して、軍事政権の殺人を罰するよう要請した。
しかし、国営日刊英字紙ニュー・ライト・オブ・ミャンマーは、4人が残忍かつ非人道的なテロ行為の指示を出し、手配し、陰謀を企てた罪で処刑されたと嬉々として報じた。
4人がいつどこでどのような殺されたかは明らかにされていない。
国連によると、ミャンマーで最後に死刑が執行されたのは1988年。
ピョーゼヤトー氏の妻はロイター通信の取材に対し、「当局から何の連絡もない」と述べた。
チョウミンユー氏は1988年の8888民主化運動で知られるようになったベテラン活動家で、何度も刑務所に収監され、2012年に釈放された。同氏は昨年10月、ヤンゴンのアパートに武器と弾薬を保管していた罪などで逮捕された。
ピョーゼヤトー氏は国民民主連盟(NLD)の元議員。同氏は昨年11月にテロ対策法違反で逮捕された。
フラミョーアウン氏とアウントゥラゾー氏は軍事政権の関係者とされる女性を殺害した罪で死刑を宣告された。
国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長は軍事政権を非難し、4人の処刑を「あからさまな人権侵害」と糾弾した。
軍事政権は昨年2月のクーデター以来、地方都市の民兵、野党活動家、軍に反対する市民への弾圧を強め、2000人以上を殺害し、1万5000人近くを逮捕した。
指導者のフライン(Min Aung Hlaing)司令官は2020年の総選挙でアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏らが不正を働いたと主張している。
スーチー氏はクーデター以来公の場に一度も姿を見せず、多くの濡れ衣を着せられた。秘密裁判所は同氏に150年以上の禁固刑を言い渡す可能性がある。
軍の取り締まりを監視している政治犯支援協会(AAPP)によると、クーデター以降の抗議デモや活動で殺害された民間人は確認できただけで2114人に達し、1万4847人が逮捕された。