◎警察はバハマ国籍の男2人を人身売買の疑いで拘束した。
バハマ政府は24日、ニュー・プロビデンス島の沖合でハイチの亡命希望者を乗せたボートが転覆し、少なくとも17人が死亡したと発表した。
デイビス(Philip Davis)首相は声明で、「人々はハイチから米フロリダ州を目指していたと思われる」と説明した。
国境警備当局によると、ボートはニュー・プロビデンス島沖、約11kmの地点で転覆したという。
当局はこれまでに25人を救助したと説明している。
AP通信は警察筋の話を引用し、「死亡した17人のうち1人は子供で、少なくとも1人が行方不明」と報じた。
警察はバハマ国籍の男2人を人身売買の疑いで拘束した。
ロイター通信によると、ボートは24日の現地時間午前1時ごろにニュー・プロビデンス島の港を出港したとみられる。警察は少なくとも60人が乗船していたとみている。
バハマ政府の報道官は記者団に対し、「ダイバーは現場で17人の遺体を収容した」と述べた。
また報道官によると、ダイバーは転覆したボートの底から女性を1人救助したという。女性は船体のエアポケットにとどまり、助かったとみられる。
一方、ベル(Keith Bell)労働・移民相はSNSに、「生存者は人身売買組織に3000~8000ドルを支払ったと示唆している」と投稿した。
ベル氏は犠牲者に哀悼の意を表し、ハイチ政府に国民を励ましてほしいと呼びかけた。
ハイチでは昨年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺事件と8月に西部で発生したM7.2の大地震以来、暴力が急増し、政府と対立するギャングが首都ポルトープランス近郊まで勢力圏を広げ、他のギャングと抗争を繰り広げている。
8月の地震の犠牲者は2200人と推定され、復興はほとんど進んでいない。
今年5月には米領プエルトリコ沖で60~75人の亡命希望者を乗せたボートが転覆した。米沿岸警備隊は38人を救助し、11人の死亡を確認している。死亡した11人は全員ハイチ国籍の女性だった。