◎麻薬密売罪で懲役20年を言い渡されたアジャボン氏の資産140点は同国の最大都市コトヌーで競売にかけられる。
西アフリカのベナン共和国は19日、フランスに亡命した野党政治家から押収した美術品、高級家具、ロールスロイスなどを競売にかけると発表した。
財務省によると、麻薬密売罪で懲役20年を言い渡されたアジャボン(Sebastien Ajavon)氏の資産140点は同国の最大都市コトヌーで競売にかけられるという。
当局は今月1日、コトヌー中心部にあるアジャボン氏の自宅から資産を押収した。
アジャボン氏は2016年の大統領選に無所属で出馬。第1回投票で3位となり、決選投票に進んだ。
同年10月、アジャボン氏が所有する会社の貨物コンテナからコカイン18kg(末端価格1400万ドル)が発見された。同氏はこの時すでにフランスに飛んでいた。
2年後、ベナンの裁判所はアジャボン氏に懲役20年を宣告した。アフリカ人権裁判所はこの有罪判決を違法と裁定したが、ベナン裁は覆すことを拒否している。
アジャボン氏と大統領の座を争った現職のタロン(Patrice Talon)大統領は綿花産業で財を成した。
しかし、専門家によると、タロン氏の経済的成功はベナンを荒廃させた恐怖政治と密接に関係しているという。
タロン氏は鉄の拳でベナンを統治し、反対派の大半が国外に逃亡した。
2019年の議会選では選挙制度が変更となり、野党の立候補擁立が事実上不可能となった。結果、タロン氏を支持する政党が全議席を獲得。同氏の支配は決定的なものとなった。