◎将校はバルチスタン州の州都クエッタ郊外を家族と共に移動中、襲撃を受け拉致された。
パキスタン軍は14日、南西部バルチスタン州で今週初めに拉致された軍将校の遺体を同州郊外の高速道路で発見したと発表した。
軍の報道官によると、この将校はバルチスタン州の州都クエッタ郊外を家族と共に移動中、襲撃を受け拉致された。
襲撃者は12日遅くに将校の家族を開放したと伝えられている。
地元メディアによると、バルチスタン州の分離独立を目指す反政府武装組織「バルチ解放軍(BLA)」が犯行声明を出したという。
BLAは声明で、「将校の家族はBLAへのテロ攻撃に関与していないため、解放する」とした。
パキスタン政府はBLAをテロ組織に指定している。米国も2019年に同組織をテロ組織に指定した。
パキスタンのシャリフ(Shehbaz Sharif)首相は殺害を非難した。
一方、軍は将校と一緒に拉致された別の家族の1人が今も捕らえられていると報告している。軍は声明で、人質を救出するための取り組みを継続するとした。
また軍は救出作戦中にBLAの戦闘員2人を射殺したと報告したが、作戦の詳細は明らかにしていない。
バルチスタン州政府の報道官は記者団に対し、「政府、軍、警察は将校を殺害したテロリストを追跡・逮捕・処罰するために全力を尽くす」と語った。
バルチスタン州では分離独立を目指すBLA、その他の反乱軍、イスラム過激派組織によるテロ攻撃が続いている。
政府は反乱を収めたと主張しているが、暴力が収まる兆候は今のところ見られない。