◎エストニアでは来年3月に総選挙が予定されているため、新政権は短命に終わるだろう。
エストニアのカリス(Alar Karis)大統領は14日、カラス(Kaja Kallas)首相に速やかに新政権を発足させるよう促し、1カ月以上続く政治的行き詰まりを終わらせるよう要請した。
カリス氏はカラス首相との会談後、「首相の辞表に署名したが、速やかに仕事を再開し、新政権を発足させるよう強く要請した」とツイートした。
エストニアの政治危機は、与党中道右派の「改革党」を率いるカラス氏が左派の中道党との連立を解消したことで頂点に達した。両党はインフレ対策や社会福祉政策をめぐって対立していた。
EU統計局(ユーロスタット)によると、エストニアの現在のインフレ率はユーロ圏の中で最も高く、先月のインフレ率は前年同月比22%に達した。インフレの主な要因は燃料価格の高騰である。
カラス氏は先週、野党「社会民主党」と右派の「祖国・共和国連合」と連立協定を結んだ。これにより、カラス氏は議会定数101のうち56議席を確保することができた。
新政権発足には議会の承認が必要。カラス氏は「15日に第2次内閣の閣僚人事に必要な委員会を発足させるよう議会に求める」とツイートした。
エストニアでは来年3月に総選挙が予定されているため、新政権は短命に終わるだろう。
カラス氏はエストニア元首相で欧州委員のシーム・カラス(Siim Kallas)氏の娘であり、2018年から改革党を率いている。