◎政府はライドシェアなどの取り組みを加速させることで、タクシー業界の競争を活性化させたいと考えている。
イタリアの首都ローマで13日、タクシー業界への新規参入を促す政府の法案に抗議するデモが行われ、タクシー運転手数百人が参加した。
政府はライドシェアなどの取り組みを加速させることで、タクシー業界の競争を活性化させたいと考えている。
ライドシェアは専用アプリなどで同じ目的地に移動したい人を探し、料金を折半する「相乗りサービス」である。
タクシー運転手たちは新規参入が増えることで多くの個人タクシーや小規模事業者が仕事を失うと懸念している。
首相府の近くに集まったドライバーたちは自分の身体にチェーンを巻きつけ、それを歩道の柵につなげ、警察に抵抗した。
一部の運転手は12日から抗議を続けており、警察に卵を投げつけた参加者もいたと伝えられている。
ローマのヴェネチア広場近くの大通りでは、ローマとナポリから集まった数百人の運転手が肩を組んで騒々しく抗議した。
イタリアの通信社ANSAによると、運転手たちはヴェネチア広場ではなく別の場所にタクシーを駐車したという。
運転手たちはドラギ(Mario Draghi)首相に法案撤回を迫り、少なくともあと1日は抗議を続けると叫んだ。
北部トリノでも200人以上の運転手が同様のデモを行ったと伝えられている。
ANSAによると、ミラノの運転手たちは抗議方法を協議するための集会を13日遅くに開く予定だとう。
運転手たちはウーバー(Uber)のようなライドシェア事業者が業界に大量参入する可能性があると警戒している。
ドラギ政権は運転手の懸念を理解する一方、EUの執行機関である欧州委員会から業界を活性化するよう圧力をかけられている。
ドラギ氏はイタリア経済の自由化を加速させると誓ったが、法案が成立するかどうかは不透明な情勢ある。この法案は連邦議会の専門家委員会で14日に議論される予定。