◎警察は「G9&Family」と「G-Pep」と呼ばれる2つのギャングが市内で衝突していると報告した。
中米ハイチの警察当局は12日、首都ポルトープランスのギャング間抗争で少なくとも50人が死亡、数十人が負傷したと発表した。
ポルトープランスの中心部と郊外では4日前から戦闘が続いているとみられる。
自治体の広報担当によると、この地域の支配権を争う2つのギャングが衝突し、銃撃戦に発展したという。警察はこれまでに50人の死亡を確認し、50人以上が重軽傷を負ったと報告している。
戦闘は故モイーズ(Jovenel Moise)大統領の一周忌の翌日に勃発した。モイーズ氏は昨年7月7日にポルトープランスの自宅で射殺され、夫人も重傷を負った。
政府はギャングの取り締まりを強化すると国民に約束したが、経済・食料危機の対応に追われ、苦慮している。
国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」によると、戦闘が激化したポルトープランス郊外の地区では、数千人が食料と水を確保できず、町に閉じ込められているという。
MSFはプレスリリースの中で他の人道機関に支援を呼びかけ、ギャングに市民を保護するよう訴えた。
MSFハイチの担当者によると、ポルトープランスの中心部で黒焦げになった遺体を複数確認したという。
警察は「G9&Family」と「G-Pep」と呼ばれる2つのギャングが市内で衝突していると報告した。
G9は元警察官で「バーベキュー」と呼ばれる男が率いるギャング連合であり、複数の虐殺事件に関与している。バーベキューはモイーズ前大統領の政党と同盟関係にあるとされ、モイーズ氏の暗殺事件を「極悪非道」と非難している。
G-Pepはポルトープランス郊外の地区で発足したギャングで、複数の武装集団と同盟を結んでいるとされる。