◎サービス業を中心とするパナマの経済は他の中米諸国に比べるとはるかに安定している。
中米パナマの首都パナマシティで12日、政府と物価高騰に不満を表明する抗議デモが行われ、数千人が参加した。
地元メディアによると、ガソリン価格はこの数カ月でほぼ2倍に急騰したという。
コルティソ大統領は11日、ガソリの小売価格に上限を設定すると約束したが、デモ隊は政府の対応を非難した。
コルティソ氏は演説の中で「市民の不満を理解している」と述べ、インフレの原因はコロナの大流行とロシアのウクライナ侵攻にあると指摘した。
パナマシティの抗議デモの規模は先週行われた教員一斉ストで急拡大し、数千人規模に膨れ上がった。地元メディアによると、教員組合の代表と政府は賃上げ交渉を続けているという。
デモ隊と経済団体はコルティソ氏の対応を不十分とし、ガソリン価格の引き下げを要求している。
デモに参加した公立学校の女性教師はAP通信の取材に対し、「ガソリン価格は国民の首を締めあげている」と語った。
燃料の高騰は食品、電気、ガス代を押し上げ、低中所得者層に大打撃を与えている。
サービス業を中心とするパナマの経済は他の中米諸国に比べるとはるかに安定している。そのため、ここ数年のインフレはほとんど問題になっていない。
政府の統計によると、インフレ率は4%前後を維持している。これはパナマにとっては大きな数字だが、メキシコの8%やアフリカ諸国に比べるとはるかに低い。
デモ隊はガソリンだけでなく生活必需品の価格も少しずつ値上がりしていると抗議した。
政府は12日、デモ隊に対し、コロンビアからパナマに入国した亡命希望者を移送するバスの運行を妨害しないよう呼びかけた。
地元メディアによると、11日の抗議デモ中にこのバスが攻撃を受け破損したが、亡命希望者にケガはなかったという。
12日のデモでも、一部の抗議者がパナマシティの主要幹線道路を一時的に封鎖したと伝えられている。デモ隊は街の中心部から議会議事堂まで行進した。