◎ジョンソン氏の後任を決めるコンテストのルールとスケジュールは来週発表される予定。
2020年/イギリス、ロンドンの醸造所、ジョンソン首相(右)とスナク財務相(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

イギリススナク(Rishi Sunak)前財務相は8日、辞意を表明したジョンソン(Boris Johnson)首相の後任に立候補すると表明した。

スキャンダルに翻弄されたジョンソン氏は今週、国民に深く謝罪し、保守党党首を辞任すると発表したが、後任が決まるまでは首相の座にとどまると誓った。

イギリスの世論とメディアはジョンソン氏の退任が決まったことを受け、進行中の問題(インフレ、成長の鈍化、ブレグジット後の労働者不足など)に対処できる保守党員は誰かを見極めようとしている。

スナク氏はツイッターに声明と動画を投稿。「誰かが正しい決断をしなければならない。だから私は、次の保守党党首と皆さんの首相になるために立候補します」と語った。

スナク氏とジャビド(Sajid Javid)前保健・社会福祉相は5日に辞任し、ジョンソン氏に強烈なパンチを見舞った。この辞任後、多くの閣僚と政府高官が辞意を表明し、ジョンソン氏は引退を決意した。

ジョンソン氏の後任を決めるコンテストのルールとスケジュールは来週発表される予定。

スナク氏率いる財務省が提示した昨年度の予算は1950年代以来最大の税負担を国民に強いたため、立候補表明の動画で主張した「減税する」という発言は「大嘘」と非難されている。

SNSユーザーも「できないことを言うな!」「この嘘つきめ!」「ジョンソンの二番煎じ」など、厳しいコメントを寄せている。

スナク氏はコロナの流行時、約4000億ポンド(65兆5000億円)の経済支援策を取り仕切り、失業の急増を避けたが、GDPは低迷し、国債・借入金は過去最高に達した。

追い詰められたスナク氏は今年4月、医療・社会保障費を補填するために所得税を引き上げ、2023年に法人税を大幅に引き上げる計画を発表したため、保守党内のスナク氏の人気は見事に落ち込んだ。

トゥゲンハート(Tom Tugendhat)議員とブレイバーマン(Suella Braverman)法務長官も立候補を表明している。

BBCニュースなどによると、2019年のミスターコンテストでジョンソン氏に敗れたハント(Jeremy Hunt)前外相は再出馬が「事実上確実」したという。

一方、ジョンソン氏は「即座に辞任し、ラーブ(Dominic Raab)副首相に権力を譲れ」という野党の要求を却下している。

ジョンソン氏の報道官は記者団に対し、「ラーブ氏が暫定首相に就任することはない」と断言した。「首相は慣例に従って行動しています。新しい党首が決まるまで、首相は首相であり続け、政府の仕事はその間も続くのです」

野党労働党のレイナー(Angela Rayner)副党首はこの主張を却下し、保守党がジョンソン氏を直ちに排除しない場合、不信任決議案を提出するとしている。

レイナー氏はBBCラジオのインタビューで、「彼は嘘つきで、不正にまみれていることが証明されており、2、3ヶ月もこんなバカげたことはやっていられない」と語った。

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