◎ミャンマー軍は国境付近の少数民族ゲリラを空爆する際、タイ領空を通過した。
タイ政府は30日、ミャンマー軍の戦闘機が領空に侵入したため、空軍に緊急出動を命じたと発表した。
空軍の報道官によると、ミャンマー軍は国境付近の少数民族ゲリラを空爆する際、タイ領空を通過したという。
タイ空軍はF16戦闘機をスクランブル発進させ、北部ターク県周辺をパトロールした。地元メディアによると、当局はターク県の町や集落に避難命令を出したという。
ミャンマーの在タイ大使はミャンマー軍に懸念を伝え、同様の事態を回避するよう要請した。
ターク県の生徒は当局の避難命令を受け、体育館や専用施設に避難した。地元メディアは国境付近でミャンマー軍の戦闘機と思われる飛行体を確認したと報告している。
公共放送タイPBSは目撃者の話を引用し、「ミャンマー軍の戦闘機は国境近くを数回旋回し、ミャンマー側に戻って発砲した」と報じている。
ミャンマーの軍事政権と対峙している少数民族ゲリラの多くがタイ国境周辺に身を寄せている。この紛争は数十年前から続いているが、昨年2月の軍事クーデター以降、これまで戦闘に参加していなかった少数民族も武器を取ったため、国境周辺の戦闘は激化している。
一部の少数民族はタイに難民として避難しているが、戦闘が収まるとミャンマー側に送り返されている。