◎トランプ氏は議会には行けないとシークレットサービスに言われると、専用リムジンのハンドルに突進した。
2022年6月28日/ワシントンD.C.議会議事堂、2021年1月6日のDC暴動事件の下院公聴会、元ホワイトハウス高官のハチンソン氏(中央)(Sean Thew/Pool/AP通信)

米議会下院で28日、トランプ(Donald Trump)前大統領の支持者が引き起こした昨年1月のDC暴動公聴会6日目が開催された。

ホワイトハウスの元高官は、「トランプ氏は襲撃事件が発生した際、支持者が武器を持っていることを認識し、議会を襲撃するよう促した」と証言した。

民主党員と共和党員で構成される特別委員会は、トランプ氏がクーデター未遂に関わったことを明確にし、責任を取らせるとしている。

メドウズ(Mark Meadows)前大統領首席補佐官の側近であるハチンソン(Cassidy Hutchinson)氏は、「トランプ氏とその側近たちは1月6日の集会が暴力に発展する可能性を認識していた」と語った。「しかし、トランプ氏は集会を決行しました...」

ハチンソン氏は、「トランプ氏は武装した参加者は私を傷つけるために来たのではないと言った」と述べ、大統領自ら議会のデモに参加したいとシークレットサービスに要求したと明らかにした。

過去5回の公聴会で襲撃事件の前と最中のトランプ氏の行動を直接説明できる証人はいなかった。当時トランプ氏と一緒に行動していた人は限られている。

ハチンソン氏はこの空白を見事に埋め、共和党と民主党員から称賛された。

ハチンソン氏はトランプ氏の首席補佐官を務めたメドウズ氏と毎日話し、トランプ氏に最も近い側近のひとりであった。

ハチンソン氏は「複数の高官が1月6日のトランプ氏の集会は制御不能に陥ると警告していた」と述べた。「事件の数日前、メドウズ氏は1月6日の集会は本当に、本当に悪くなる可能性があると警告していました...」

またハチンソン氏は次のように説明した。

▽事件当日、メドウズ氏はシークレットサービスから集会場に集まった支持者が銃やナイフを持ち込んでいるという報告を聞き、他に何か問題はあるか?と尋ねた。

▽トランプ氏はメドウズ氏からシークレットサービスが武器を携帯している支持者を追い返していると聞き、激怒した。「彼らは私を傷つけるためにここにいるのではない!彼らを中に入れろ!」

▽ラトクリフ(John Ratcliffe)国家情報長官(当時)はホワイトハウスに対し、「この集会は大統領の遺産に傷をつける可能性がある」と警告した。

▽ホワイトハウスの顧問弁護士も、「ホワイトハウスが暴動を扇動しているように見えるだろう」と懸念を表明した。

ハチンソン氏が当時の状況を告発する間、トランプ氏は自身のソーシャルメディアプラットフォーム「Truth Social」にコメントを投稿。ハチンソン氏の証言を否定し、「私は銃を持った人の立ち入りを許可したり暴力を望んだりしていません」と主張した。「誰がそんなことを望むのですか?」

しかし、ハチンソン氏は証言を続け、トランプ氏が特定の出来事に動揺したり、怒り狂ったと説明した。

▽バー(William Barr)司法長官(当時)が2020年12月のインタビューでトランプ氏の不正選挙に関する主張を退けたとき、トランプ氏は怒りに任せて食器を叩き壊した。

▽ケチャップをホワイトハウスのダイニングルームにぶちまけたこともある。

ハチンソン氏は集会参加者が議会に侵攻した時、トランプ氏も参加したいとシークレットサービスに言い寄ったと説明した。「トランプ氏は議会には行けないとシークレットサービスに言われると、専用リムジンのハンドルに突進したそうです。私は別の補佐官から話を聞きました...」

トランプ氏はリムジンを自ら運転しようとしたというハチンソン氏の証言を否定し、「そんなバカなことをするはずがない」とSNSに投稿した。

しかし、CBSニュースはシークレットサービスに近い関係筋の話を引用し、「リムジンの運転手と職員はトランプ氏に、そのようなことはなかったと証言しなさいと言われた」と報じている。

ハチンソン氏はメドウズ氏が暴動後、トランプ氏に大統領恩赦を求めたと明らかにした。

またハチンソン氏はトランプ氏がペンス(Mike Pence)前副大統領を「意気地なし」と非難したツイートについて、「嫌悪感を覚えた」と語った。「私は嫌悪感を覚えました。誤った主張のせいで議会が汚されていると感じたのです」

ハチンソン氏の弁護士は声明で、「ハチンソン氏は委員会で証言することを余儀なくされた」と述べ、トランプ氏に配慮した。

副議長のチェイニー(Liz Cheney)議員(共和党)はハチンソン氏の証言後、「トランプ氏とその仲間たちは共和党員にチームプレイを守るよう圧力をかけた」と述べ、ハチンソン氏を称賛した。

次回の公聴会は7月に予定されている。

2022年6月28日/ワシントンD.C.議会議事堂、2021年1月6日のDC暴動事件の下院公聴会(Sean Thew/Pool/AP通信)
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