◎全米ライフル協会(NRA)は判決を祝った。
真昼の決闘のイメーズ

最高裁判所は23日、銃の携帯を制限するニューヨークの州法(1913年制定)を違憲とする判決を下した。

判事は自宅外での銃の携帯には正当な理由と証明を必要とするNY州法を6対3で無効とし、「米国民には公共の場で銃を携帯する権利がある」と裁定した。

全米ライフル協会(NRA)は判決を祝った。

この判決はカリフォルニア州やニュージャージー州などの同様の州法も危うくし、米国を西部開拓時代に逆戻りさせる可能性がある。

判事は公共の場で銃を携帯する際、「適切な理由」を要求するニューヨークの州法は合衆国憲法に違反しているとした。

トーマス(Clarence Thomas)判事は保守派が大多数を占める最高裁を代表して、「米国民は個人防衛のために一般的に使用される銃器を公共の場で携帯する権利を有する」と述べた。

銃をこよなく愛する米国は銃暴力への対処をめぐって深く分裂している。

テキサス州ユバルディで先月発生した銃乱射事件では児童を含む21人が撃ち殺された。NY州バッファローでは黒人10人が白人至上主義者に殺された。

バイデン(Joe Biden)大統領は最高裁の判決に失望を表明し、「常識と憲法の両方に反しており、我々全員を悩ませることになる」と語った。

NY市のアダムス(Eric Adams)市長は、銃器購入の申請手続きを厳格化したり、特定の場所での禁止を検討するなど、銃へのアクセスを制限する別の方法を検討すると約束した。「ニューヨークをワイルド・ワイルド・ウェストにするわけにはいきません!」

一方、NRAはこの訴訟の原告2人を支援していた。2人はニューヨーカーで、銃の携帯許可証を申請したが、拒否されたとしている。

米国民が所有する銃は全国で3億9000万丁以上と推定されている。2020年に銃関連の事件で死亡した人は4万5000人を超えている。

最高裁は合衆国憲法修正第二条(武器保有権)により、米国民は家庭でも公共の場でも銃器を携帯することができるとした。

反対に投じたブライヤー(Stephen Breyer)判事は、銃による暴力が多発していることに言及した。「今年に入ってからすでに277件の銃乱射事件が報告されています。これは1日平均1件以上です」

一方、上院はまもなく、約30年ぶりとなる連邦政府による銃規制法案を通過させる構えだ。民主党と共和党の超党派グループは議員65人の支持を確保した。

この法案には21歳未満の銃購入者の身元調査拡大や、裁判所に危険とみなされた個人から銃を押収する緊急プログラムを導入している州への資金提供などの措置が含まれている。

上院は今週中に法案を可決し、下院に送る予定。

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