◎セベロドネツクのウクライナ軍の拠点とされるアゾト化学工場はロシア軍の総攻撃に耐えているとみられる。
ウクライナ東部ルハンシク州のガイダイ(Sergiy Gaiday)知事は21日、セベロドネツクが炎に包まれ、あらゆるものが燃えていると報告した。
ガイダイ氏はAP通信のインタビューの中で、「市内のあらゆるものが燃えている」と語った。
ガイダイ氏によると、ロシア軍は現在、ルハンスク州の約95%を支配下に置いたという。しかし、ロシアはウクライナに送り込んだ兵士の大半を同州の作戦に充てているにもかかわらず、完全制圧できずにいる。
ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は21日に公開したビデオ演説の中で、「ウクライナ軍はルハンシクの防衛を強化している」と述べた。
セベロドネツクのウクライナ軍の拠点とされるアゾト化学工場はロシア軍の総攻撃に耐えているとみられる。この工場地下には民間人数百人が避難している。
ガイダイ氏は「ロシア軍はアゾト化学工場周辺を廃墟に変えている」と述べた。
またガイダイ氏は化学工場の現状を大惨事と説明した。「敵は24時間体制で榴弾砲、多連装ロケットランチャー、大口径砲、ミサイル攻撃を浴びせています」
セベロドネツクの対岸の都市リシチャンスクも厳しい戦いを強いられている。
ウクライナの国営メディアは21日、セベロドネツクとリシチャンスクの空爆で10戸以上の民家と警察署が破壊されたと報じた。
ルハンシク州の西に位置するドネツク州政府も空爆で学校が焼失したと報告している。
第二の都市ハルキウ州も21日、空爆に見舞われたと明らかにした。同州知事によると、複数の地域が空爆を受け、民間人少なくとも15人が死亡、16人が負傷したという。
ゼレンスキー氏はハルキウ州への攻撃について、「ロシアは撤退した地域に苦し紛れにミサイルを撃ち込んでいる」と非難した。「ロシア軍の攻撃には一貫性も合理性もありません。単に破壊し、単に殺すだけです。これは現場に指揮官がおらず、統制が取れていないことを意味します...」
一方、ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は21日、首都モスクワで行われた士官学校の卒業式で、ロシア軍を称賛した。
プーチン氏は卒業生に「ロシアは新たな試練を迎えている」と述べ、すべての課題を克服すると自信を示した。「我々はさらに強くなります。間違いありません...」