◎ベネズエラの経済はマドゥロ氏が就任した2013年以降、急降下を続けており、2021年のGDPは10年前の2割以下に落ち込んだ。
2019年1月10日/ベネズエラのマドゥロ大統領(ロイター通信)

米財務省は17日、ベネズエラのマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の親族に科していた制裁を解除すると発表した。

ホワイトハウスは先月、ベネズエラのもうひとりの暫定大統領であるグアイド(Juan Guaido)氏とマドゥロ政権の対話を促進するための措置を取ると発表していた。

米財務省は17日の声明で、マルピカフローレス(Carlos Eric Malpica Flores)氏を制裁リストから除外したと報告した。

マルピカフローレス氏は国営石油会社PDVSAの元重役で、マドゥロ氏の妻フローレス(Cilia Flores)夫人の甥にあたる。

今回の制裁解除はマドゥロ政権と野党の協議を促進する試みのひとつとみなされている。マドゥロ氏は3月に米政府代表団と会合を開き、この問題について協議した。

バイデン政権は先月、ベネズエラに対する厳しい経済制裁の一部を緩和する可能性があると示唆した。これも交渉を促す努力のひとつであろう。

ブリンケン国務長官は先週、メキシコシティを訪問した際、グアイド氏率いる野党とマドゥロ政権の交渉が近く再開されるという見通しを示し、マドゥロ氏が妥協すればさらなる制裁緩和を行うと申し出た。

しかし、バイデン(Joe Biden)大統領はロサンゼルスで先週行われた米州サミットからマドゥロ氏を除外し、メキシコ大統領の批判を招いた。

一部の専門家はサミットからマドゥロ氏を除外したことについて、「ベネズエラを含む中南米の移民問題を主要政策のひとつに掲げるバイデン政権の取り組みを複雑にする可能性がある」と指摘している。

国連によると、ベネズエラから逃亡した市民はこの数年で600万人を超え、その多くが暴力の激化、貧困、壊滅的な経済危機から逃れるために米国を目指しているという。

ベネズエラの経済はマドゥロ氏が就任した2013年以降、急降下を続けており、2021年のGDPは10年前の2割以下に落ち込んだ。

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