◎政府は13日遅く、国家公務員に今後3カ月間、毎週金曜日に特別休暇を付与するという提案を承認した。
2022年6月5日/スリランカ、首都コロンボのガソリンスタンド前(Eranga Jayawardena/AP通信)

スリランカ政府は14日、進行中の食料危機を乗り越える取り組みの一環として、国家公務員に週1日特別強化を付与し、積極的に畑を耕し農作物を栽培するよう促した。

地元メディアによると、同国の公務員数は約100万人。

スリランカは破産寸前の状態で、500億ドルにのぼる対外債務のうち70億ドル近くを年内に返済しなければならない。しかし、外貨準備は底をつき、債務不履行に陥っている。

国民は食料、調理用ガス、燃料、医薬品などの深刻な不足に悩まされている。コロンボの食料品店やガソリンスタンドには連日長蛇の列ができている。

政府は13日遅く、国家公務員に今後3カ月間、毎週金曜日に特別休暇を付与するという提案を承認した。

地元メディアによると、特別休暇の目的は「燃料不足の影響で出社が困難になった職員の支援」と、「畑を耕し、自分と家族の食料を栽培し、自給自足を奨励する」ことだという。

政府は14日の声明で、「公務員に週1日特別休暇を与え、将来起こると予想される食料不足に対応するため、自宅の裏庭などで農業活動に従事するよう求める。また、作物を育てるスペースがない職員には必要な施設を提供する」とした。

一方、ウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)首相は米国のブリンケン(Antony Blinken)国務長官と電話会談を行い、支援を要請した。

ブリンケン氏は14日、「米国はスリランカと協力する用意がある」とツイートした。

ウィクラマシンハ氏は今月初め、進行中の危機を乗り越え、必要不可欠な輸入品の代金を支払うためには、今年少なくとも50億ドルが必要と述べ、国際社会にあらためて支援を呼びかけた。

政府は国際通貨基金(IMF)と協議を続けており、IMFの代表団は来週20日に首都コロンボを訪問する予定。

自国通貨(スリランカ・ルピー)の暴落と世界規模のインフレは同国の食料価格を押し上げている。

アマラウィーラ(Mahinda Amaraweera)農相は先月末、食料供給の悪化に深刻な懸念を表明し、農家に米の作付面積を増やすよう要請した。

アマラウィーラ氏は5月31日の声明で、「政府は全国の農民に今後5日~10日間、田んぼに入って稲を植えるよう要請します」と呼びかけた。

政府はIMFの融資と信頼を確保する取り組みの一環として、食料や燃料の付加価値税(日本の消費税)を引き上げている。

2022年5月12日/スリランカ、首都コロンボ、ウィクラマシンハ首相(Eranga Jayawardena/AP通信)
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