◎リビアは2011年のカダフィ大佐討伐以来、最大の危機に直面している。
国連リビア支援団は11日、首都トリポリで戦闘が発生したことを受け、当事者に自制を求めた。
リビアは統一に向けた暫定的な措置を取っているものの、国連の支援を受ける政府と東部地域に拠点を置くもうひとつの政府の関係が急速に悪化し、紛争に発展するという懸念が高まっている。
国連リビア支援団は声明で、「衝突は市民を危険にさらす」と警告し、当事者に紛争回避に向けた措置を取るよう呼びかけた。
地元メディアによると、海岸沿いの地域で発生した戦闘の詳細は分かっていないという。ソーシャルメディアで共有された動画には砲撃が飛び交う様子や、逃げ惑う人々の姿が映っていた。
地元メディアは政府関係者の情報を引用し、「市内で活動する2つの民兵組織が衝突した」と報じている。
ドベイバ(Abdul Hamid Dbeibah)暫定首相は首都トリポリで国連の支援を受け、東部に拠点を置くもうひとりの暫定首相バシャガ(Fathy Bashagha)氏は武装民兵や外国政府の支援を受けている。
一部の専門家は、リビアは2011年のカダフィ(Moamer Kadhafi)大佐討伐以来、最大の危機に直面していると指摘している。
ドベイバ氏の暫定政権は昨年予定していた総選挙を実施できず、批判に直面した。
ドベイバ氏は辞任を拒み、国際社会の不安をあおっている。これに対し、東部政府はバシャガ氏を暫定首相に任命し、ドベイバ氏に辞任を呼びかけた。
バシャガ氏は元内相で、現在はイスラム国(ISIS)が拠点としていた港町シルトで東部政権を運営している。
AP通信によると、ドベイバ氏は11日、自分に仕える民兵や武装勢力にトリポリの平和を取り戻すよう命じたという。
一方、バシャガ氏は11日にツイッターを更新し、武装勢力に武器を置き、東部政府に従うよう呼びかけた。
バシャガ氏は先月、トリポリに入り新政府を発足させようとしたが、ドベイバ派と戦闘になり兵士1人が死亡したことを受け、撤退した。