◎スーダンでは昨年10月の軍事クーデター以来、軍事政権に抗議するデモが続いている。
2022年1月24日/スーダン、首都ハルツームの抗議デモ(Marwan Ali/AP通信)

スーダンの主要民主派グループは10日、昨年10月の軍事クーデター以来初めて、同国の軍指導部と直接会談した。

いくつかの政党と複数の人権団体が参加する連合体「自由と変化の勢力(FFC)」は2019年の革命を主導した民主派グループのひとつである。

FFCの報道官は会談前の記者会見で、「この協議で民主主義、正義、民政復帰を実現できると信じています」と語った。「暴力を終結させ、文民統制を確立しなければなりません...」

FFCは当初、軍事政権の指導者であるブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)将軍が出席する協議には参加しないとしていた。

協議の主催者は国連。アフリカ連合(AU)や政府間開発機構(IGAD)などの国際機関も参加する。国連はデモ隊に対する暴力的な取り締まりの即時終結と、民政復帰を求めている。

FFCの報道官は記者団に対し、「軍は基地に戻り、国民に奉仕すべきです」と訴えた。「私たちは軍と新しいパートナーシップを築くために参加したのではありません。軍民合同政府は認めません...」

スーダンを30年にわたった支配した独裁者のオマル・バシル (Omar al-Bashir)は2019年4月の無血クーデターで追放され、その後、抗議デモを主導したFFCなどの市民グループは軍当局と軍民合同政府「ソブリン評議会」を発足させた。

しかし、その取り決めはブルハン将軍の軍事クーデターで崩壊し、同国はかつてない経済的・政治的混乱に陥っている。

国連によると、抗議デモの取り締まりで死亡した市民は100人近くに達し、数千人が負傷、数百人が投獄された。

人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチは4月末の報告で数百人が刑務所に収容され、虐待を受けていると警告した。

2022年6月10日/スーダン、首都ハルツームで行われた抗議デモ(Getty Images/AFP通信/PAメディア)
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