◎トルコ、米国、EUはクルド労働者党(PKK)をテロ組織に指定している。
トルコの国営メディアは4日、外務省が在ギリシャ大使を呼び出し、ギリシャ国内で非合法のクルド人武装勢力が活動していることに懸念を表明したと報じた。
アナトリア通信は外交筋の話を引用し、「トルコ政府は大使にクルド労働者党(PKK)がギリシャ国内で宣伝、資金調達、勧誘を行っていることに苦言を呈した」と伝えている。
また、アテネのトルコ大使館付近で最近行われたPKK支持者と思われる人々の抗議デモや、ギリシャの在留トルコ人の安全についても懸念が示された。
オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。
トルコ、米国、EUはPKKをテロ組織に指定している。
トルコはNATO加盟を目指すスウェーデンとフィンランドを含む北欧諸国や他のEU加盟国がPKKを支援または匿っていると非難している。
PKK問題はスウェーデンとフィンランドのNATO加盟に影響を与えると懸念されており、プーチン(Vladimir Putin)大統領のトルコ訪問で複雑化する恐れがある。
プーチン氏のトルコ訪問の日程は決まっているとみられるが、詳細は明らかにされていない。
またトルコとギリシャも地中海・エーゲ海の海洋境界線やキプロス問題をめぐって対立している。
エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は今週、ギリシャとのハイレベル協議を打ち切ったと発表した。この協議は5年の中断を経て、昨年再開された。
1974年のキプロス紛争でキプロス島が二分されて以来、両国はその地位をめぐって激しく対立してきた。北キプロス・トルコ共和国はトルコ軍の支援を受け独立を宣言したが、国際社会はこれを認めていない。