◎スリランカはデフォルト状態に陥っている。
2022年5月22日/スリランカ、首都コロンボの港、インドの支援物資を乗せた貨物船(Eranga Jayawardena/AP通信)

インドのスリランカ特使は23日、1600万ドル相当の人道支援物資の一部をスリランカに輸送したと明らかにした。

インドの駐スリランカ特使によると、560万ドル相当の米、粉ミルク、医薬品などはインド南部タミルナド州から出荷され、スリランカのコロンボの港に22日遅くに到着したという。

インド大使館は23日の声明で、「これらの物資は弱い立場の人々に支給される」と述べている。

スリランカは破産寸前の状態で、500億ドルにのぼる対外債務のうち70億ドル近くを今年中に返済しなければならない。しかし、外貨準備は底をつき、債務不履行に陥っている。

政府は食料、燃料、医薬品、調理用ガス、トイレットペーパー、その他のあらゆる輸入品の代金を支払えず、数カ月前から深刻な物資不足が続いている。

同国の新首相は先週、ガソリンの在庫が尽きかけていると警告した。しかし、インドのクレジット・ライン(信用供与枠)を通じて支払われたガソリンが週末に到着し始めたため、数週間は持ちこたえられるという見方が広がっている。

インドは食料、医薬品、燃料の購入融資として、すでに35億ドルの経済援助を提供している。

一方、首都コロンボの大統領府周辺ではラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領の辞任を求める抗議デモが40日以上続いている。

今月初めに発生した親政府派とデモ隊の衝突では議会議員を含む9人が死亡、数十人が負傷した。

一部の暴徒化したデモ隊は今月初めに政府高官の自宅を破壊し、ラジャパクサ家の資産に火を放った。ラジャパクサ大統領は今年2回目の非常事態を宣言し、軍と警察の権限を強化したが、10日以内に議会の承認を求めなかったため、宣言は20日に失効した。

ウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)首相率いる新政権は現在、国際通貨機関(IMF)と救済交渉を行っている。

2022年5月9日/スリランカ、首都コロンボの抗議デモ(Eranga Jayawardena/AP通信)
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