◎今のところコロナウイルスのような爆発的感染の兆候はみられない。
温泉に入るサル(Pexels/Pixabay)

イスラエル、スイス、オーストリアで新たにサル痘の患者が確認され、感染を報告した国は合計15カ国となった。

イスラエルとスイスは共に、最近海外に渡航した1人からウイルスを検出したと報告している。イスラエル当局は感染が疑われる数人を調査している。

サル痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつで、1970年にコンゴ民主共和国で初めて検出された。

医療専門家によると、この感染症の重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復するという。死亡率は5~10%程度。

欧米の感染例は80件を超えているが、今のところコロナウイルスのような爆発的感染の兆候はみられない。

世界保健機関(WHO)によると、サル痘を確認した国で感染が疑われる患者の調査が進んでいるという。

韓国訪問を終えたバイデン(Joe Biden)大統領はサル痘をどう思うかと質問を受け、「誰もがウイルスの拡散を心配している」と答えた。

またバイデン氏は、「米国はそのウイルスに対応するワクチンの準備を進めている」と明らかにした。サル痘専用のワクチンは開発されていないが、医療専門家によると、種痘(天然痘の予防接種)でおおむね予防できるという。

欧州ではイギリス、スペイン、ポルトガル、ドイツ、ベルギー、フランス、オランダ、イタリア、スウェーデンで感染が報告されている。

最初に感染者を確認したイギリスの政府医療顧問であるホプキンス(Susan Hopkins)博士はBBCニュースのインタビューの中で、「感染は拡大している」と懸念を表明した。保健当局によると、イギリス国内の感染例は21日時点で20件。

欧米の感染者の中で最近アフリカ大陸を訪れた人は少なく、サル痘は一部地域に広がっている可能性がある。

ホプキンス博士は、「サル痘に感染するリスクは極めて低く、これまでのところ、(イギリスの)症例の多くは都市部のゲイやバイセクシュアル男性の間で報告されている」と説明した。

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