◎タリバン当局者「この命令は絶対であり、交渉の余地はない」
アフガニスタンの地元メディアは19日、タリバンがテレビ局のすべての女性司会者に顔を隠してテレビに出演するよう命じたと報じた。
TOLOニュースによると、この命令はタリバンの情報文化省から出されたという。TOLOニュースは当局者の声明を引用し、「この命令は絶対であり、交渉の余地はない」とツイートした。
この命令は複数のテレビ・ラジオ局を所有するメディアグループ「モビー」に届いたと伝えられている。
TOLOニュースはツイートの中で、「この命令はアフガニスタンで活動する他のメディアにも適用される」と述べている。
AP通信によると、アフガニスタンのメディア関係者は命令が事実であることを認め、当局者に「議論の余地はない」と言われたという。
複数の女性キャスターや司会者がマスクを着用して番組に出演した写真をSNSに投稿している。TOLOニュースのある女性キャスターはマスクを着用してニュースを読む動画を投稿し、「勧善懲悪省の命令で消された女」とコメントをつけた。
一部の女性キャスターは19日の放送でマスクを着用していたが、ヒジャブ(髪を隠すスカーフ)のみのキャスターもいたと伝えられている。
旧タリバン政権は女性に厳しい制限を課し、全身を覆うブルカ(イスラム教のヴェール)の着用を義務付け、公共の場から女性を締め出し、違反した者は公開ムチ打ちや石打の刑に処されることもあった。
タリバンは昨年8月に政権を奪取した際、女性の権利を保障すると約束し旧政権のような弾圧は行わないと示唆していた。しかし、この数週間で態度を一変させ、再び公共の場から女性を排除しようとしている。
タリバンは今月、すべての女性に公共の場でのブルカ着用を命じた。法令によると、女性は必要なときだけ外出し、服装規定に違反した女性の親族は召喚され、裁判にかけられるという。
またタリバンはすべての女性に教育を保障するという約束を覆し、中等教育から女子生徒を排除した。