◎ジョンソン首相を含む政府高官は2020年と2021年のコロナ制限期間中にパーティーを開催し、有権者と野党を怒らせた。
英ロンドン警視庁は12日、コロナ規則を無視して首相官邸で誕生日パーティーなどが開催された事件について、罰金の対象を100件以上に拡大したと発表した。
ジョンソン(Boris Johnson)首相のパーティーゲート事件はイギリスだけでなく世界をざわつかせた。ジョンソン氏は在職中に法律違反で罰金を科された初の英首相となった。
このスキャンダルは米国のウォーターゲート事件をもじってパーティーゲート事件と呼ばれている。
ジョンソン氏を含む政府高官は2020年と2021年のコロナ制限期間中にパーティーを開催し、有権者と野党を怒らせた。
ジョンソン氏は2020年6月にダウニング街10番地で行われた自身のサプライズ誕生日パーティーに出席したことを認め謝罪したが、10分にも満たなかったとされる誕生日パーティーが制限に違反するとは思いもよらなかったと述べ、批判を浴びた。
ジョンソン氏の妻キャリー(Carrie Johnson)氏とスナック(Rishi Sunak)財務相も同じパーティーに出席したとして罰金を科されている。
今回の発表により、パーティーゲート事件の罰金件数は2倍に増加した。警視庁は先月、約50件の罰金を科したと発表していた。
また警視庁は、首相府のスタッフが企画した「飲酒パーティー」や「ワインタイム・フライデー(日本の花金)」など、12件のパーティーの調査を続けていると説明した。
警視庁は罰金刑を科した個人の氏名を公表していない。首相府は12日、「今回の罰金にジョンソン首相は含まれていない」と声明を発表した。
パーティーゲート事件の調査を主導した政府高官のグレイ(Sue Gray)氏は別の調査を行っている。グレイ氏は1月末に公表した報告書の中で、ジョンソン政権の指導力と判断力は欠如していたと認定した。