◎イスラエルとパレスチナではここ数週間、暴力事件が相次いでいる。
2022年5月7日/ヨルダン川西岸の村、テロ事件の容疑者とされる男の自宅(Jaafar Ashtiyeh/AFP通信)

イスラエル軍は7日、昨年12月にヨルダン川西岸地区で発生したイスラエル人殺人事件の容疑者宅を爆破した。

軍の報道官によると、部隊は西岸地区の郊外の村で容疑者宅の壁を爆破し、突撃したという。

自宅内にいたとされるパレスチナ人は石と火炎瓶で攻撃を仕掛けてきたため、兵士は自動小銃で応戦した。

アルジャジーラは現場で負傷者の治療にあたった医療関係者のコメントを引用し、「少なくとも3人のパレスチナ人が負傷した」と報じた。報道によると、負傷者はいずれも命に別状はないという。

容疑者は民家の1階で生活していたと伝えられている。

イスラエル政府によると、容疑者は昨年、ヨルダン川西岸地区でイスラエル人を射殺した「イスラム聖戦」の構成員だという。この事件では1人が死亡、2人が負傷した。

イスラエル軍は以前にも、今回襲撃した建物に攻撃をしかけたことがある。2月と3月に行われた襲撃作戦では10代のパレスチナ人1人が死亡した。

イスラエル軍はイスラエル人に対するテロに関与したパレスチナ人の自宅や拠点を定期的に破壊している。

しかし、イスラエルの一部の当局者と人権団体は、「取り締まり中の爆破攻撃は危険極まりなく、同様の事件を抑止することもできず、パレスチナ人の怒りを煽り、差別を助長する」と警告している。

イスラエルとパレスチナではここ数週間、暴力事件が相次いでいる。

5日遅くに首都テルアビブで発生した襲撃事件では斧による攻撃でイスラエル人3人が死亡した。イスラエル警察は事件にかかわったとされる2人の行方を追っている。

イスラム教徒の聖地のひとつであるアルアクサ・モスクでも暴力が続き、数十人が拘束された。

ヨルダン川西岸地区ではパレスチナ人約290万人とイスラエル人約47万5000人が生活しているとされる。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区、ゴラン高原、そしてアルアクサ・モスクを含む東エルサレムを占領した。それ以来、ガザ地区とヨルダン川西岸地区に追いやられた数百万人のパレスチナ人はみじめな生活を送っている。

スポンサーリンク