◎ベラルーシのルカシェンコ大統領は反体制派を厳しく取り締まっている。
2021年5月25日/ベラルーシ、逮捕されたジャーナリストのロマン・プロタセビッチ氏(左)とガールフレンドのソフィア・サペガ氏(ロイター通信)

ベラルーシの裁判所は6日、反体制派ジャーナリストのガールフレンドである留学生のソフィア・サペガ氏に懲役6年の実刑判決を言い渡した。

ベラルーシ政府は昨年5月、ギリシャからリトアニアに向かっていた英ライアンエアーの民間旅客機内に爆弾が仕掛けられているとウソをつき、首都ミンスクの空港に強制着陸させたうえで、搭乗していた反対派ジャーナリストのロマン・プロタセビッチ氏とサペガ氏を逮捕した。

この事件は世界に衝撃を与え、欧米諸国はベラルーシ政府や独裁者のルカシェンコ大統領などに制裁を科した。

現地メディアによると、サペガ氏は「社会的敵意と不和を扇動した罪」で懲役6年を言い渡されたという。また、個人の私生活に関する情報を違法に収集し、流布した罪にも問われた。

プロタセビッチ氏はポーランドに拠点を置くテレグラム上の反体制派チャンネル「ネクスタ」の元編集者で、2020年夏に始まったルカシェンコ大統領に対する街頭抗議デモの動画や情報を公開していた。

ルカシェンコ大統領は2020年8月の大統領選で有効票の90%を獲得したと主張したが、野党と西側諸国はこれを却下し、10万人規模の抗議デモを引き起こした。

ルカシェンコ大統領に忠実な治安部隊は鉄の拳で野党とデモ隊を取り締まり、主要メンバーを逮捕。3万5000人以上を拘束し、数千人を殴打した。

大統領選に立候補した野党指導者のスベトラーナ・チハノフスカヤ氏はリトアニアへの亡命を余儀なくされている。プロタセビッチ氏は2019年にベラルーシを脱出した。

プロタセビッチ氏の裁判に関する情報は明らかにされていない。

ベラルーシ当局は英ライアンエアーの民間旅客機がベラルーシの領空を飛行中、機内に爆弾が仕掛けられているとウソをつき、ミグ戦闘機を使って旅客機の進路を変更させ、ミンスクの空港に着陸させた。

二人はギリシャで予定されていた経済フォーラムに出席する予定だった。

ベラルーシ、首都ミンスク、反体制派のソフィア・サペガ氏(ロイター通信/Getty Images)
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