スーチー氏は軍事政権の告発をすべて否定している。
2021年4月8日/ミャンマー、最大都市ヤンゴンの市場(AP通信)

ミャンマーの軍事裁判所は2日、民間事業者から55万ドルの賄賂を受け取ったとして、アウンサンスーチー氏を収賄罪で追起訴した。

スーチー氏は汚職防止法に基づく2つの訴因で起訴された。有罪が確定すれば、それぞれ15年以下の禁固刑と罰金を科される可能性がある。

ミャンマー軍は昨年2月の軍事クーデターでスーチー氏を含む政府高官を逮捕、拘束した。それ以来、スーチー氏は公の場に一度も姿を見せておらず、秘密の施設に拘留され、非公開裁判にかけられている。

スーチー氏の弁護団も公の場で裁判について話すことを禁じられている。

スーチー氏はトランシーバーの不法輸入と所持、コロナウイルス規制違反、扇動、その他の汚職容疑で11年の禁固刑を言い渡されている。

軍事政権は2023年に行われる可能性のある選挙からスーチー氏を排除したいと考えているようである。スーチー氏は100年以上の実刑判決を科される可能性がある。

地方で活動する少数民族のゲリラ部隊は軍への抵抗を続けており、一部の国連当局者はミャンマーを内戦状態とみなしている。

スーチー氏は麻薬密売で有罪判決を受けたマウン・ウェイクから2019年と2020年に金銭を受け取ったとして訴えられている。国営テレビは昨年、ウェイクが自分の事業を助けるために政府高官に現金を支払ったと主張する映像を公開した。

AP通信によると、この訴訟の原告である反汚職委員会の当局者が2日の審理で証言したという。今回の追起訴とウェイクの裁判は別ものである。

国営紙ニュー・ライト・オブ・ミャンマーは今年2月、スーチー氏が国家顧問の立場を利用して、2019~2020年の間に4回に分けて55万ドルを受け取り、民間企業の事業活動を後押ししたと報じていた。

ウェイクは国営メディアが報じた映像の中で、2018~2020年の間に現金を渡したと主張している。それによると、ウェイクは2018年にスーチー氏の慈善財団に10万ドル、2019~2020年にかけて、スーチー氏本人に45万ドルを支払ったという。

スーチー政権時代、ウェイクは第二の都市マンダレーに住宅、レストラン、病院、経済地区、港湾、ホテルなどを建設する大規模な開発プロジェクトを受注していた。

ウェイクは不動産開発業者の会長として、前軍事政権時代に権力を握った将軍の何人かと親しい間柄だった。ウェイクは2008年に麻薬密売で15年の禁固刑を受け、2014年に釈放された。釈放後は将軍らとの取引を再開している。

スーチー氏は先週、最大の都市ヤンゴンの自治体幹部から60万ドル相当の金の延べ棒7本を受け取ったとして、禁固5年を言い渡された。弁護団は上告している。

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