◎フィンランドとスウェーデンではNATO加盟を支持する世論が高まっている。
2022年4月28日/ブリュッセルの欧州議会、NATOのストルテンベルグ事務総長(右)とメツォラ議長(Getty Images/AFP通信)

NATOのイエンス・ストルテンベルグ事務総長は28日、フィンランドとスウェーデンがNATOに加盟申請を提出した場合、かなり早く加盟できるという見解を示した。

フィンランドとスウェーデンではNATO加盟を支持する世論が高まっている。両国のメディアによると、早ければ5月中旬には加盟を申請する見通しだという。

ストルテンベルグ氏はブリュッセルの欧州議会で、「両国が加盟を申請すれば両手を広げて受け入れる」とし、加盟するか否かは両国が決めることだと強調した。「しかし、申請すれば、フィンランドとスウェーデンは温かく迎えられるだろうし、そのプロセスは迅速に進むと期待しています」

ストルテンベルグ氏は審査のタイムラインを示さなかったが、「申請提出から加盟が完了するまでの間、ロシアが両国を威嚇した場合、何らかの保護を期待できる」とした。

ロシアがNATO加盟国に攻撃をしかければ5条(集団防衛)が発動し、米国を含む同盟国は防衛に乗り出す。

ストルテンベルグ氏は、「この空白期間を埋める有効な方法があると確信している」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。

またストルテンベルグ氏は、NATOの多くの同盟国が、ウクライナに対して少なくとも80億ドルの軍事支援を約束、提供しているとした。

開戦前、プーチン大統領はNATOの東方拡大をやめ、ロシアの国境付近からNATO軍を撤退させるよう要求していた。

フィンランドはロシアと1300km以上国境を共有している。

ロシアは両国のNATO加盟を否定し、もしそれが実現すれば最悪の事態もあり得ると警告している。

フィンランドはロシア(ソ連)と何度も対峙している。

1939~40年の冬戦争では独立を維持し、1941~44年の継続戦争では領土の一部を失ったものの、ソ連軍に大打撃を与えた。

しかし戦後、フィンランドはロシアと政治・経済で現実的な関係を築き、軍事的には非同盟を貫き、東西の緩衝役として中立的な立場を保っている。

スウェーデンも200年以上にわたって軍事同盟を避け、近隣諸国との数世紀にわたる戦争の末、平和への道を切り開いた。

両国は1995年にEUに加盟し、NATOとの協力を深めることで、伝統的な中立に終止符を打った。しかし、両国の国民の大多数はNATOへの加盟に断固として反対してきた。ロシア・ウクライナ戦争が始まるまでは。

2022年4月13日/スウェーデン、首都ストックホルム、アンデション首相(左)とフィンランドのマリン首相(Paul Wennerholm/TT/AP通信)

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