◎マクロン大統領はル・ペン氏の猛追を振り切り再選(58.5%ー41.5%)を果たした。
フランスのマリーヌ・ル・ペン氏は25日、国民連合の党員集会で大統領選の結果を報告し、6月の国民議会選でマクロン大統領を叩きのめすと誓った。
マクロン大統領はル・ペン氏の猛追を振り切り再選(58.5%ー41.5%)を果たした。一方、国民連合は3回目の挑戦で過去最高支持率を獲得し、議会選に弾みをつけたと喜んでいる。
ル・ペン氏は全国の国民連合議員を集め、議会選で過半数を獲得し、マクロン政権に圧力をかけると発言したとされる。
地元メディアによると、ル・ペン氏は党幹部に「労働者階級の拠点である北部地域の勢力を拡大する」と述べ、選挙活動の方針を説明したという。
ル・ペン氏はインフレや対ロシア制裁の影響を強く受けているブルーカラーに支持を呼びかけ、マクロン大統領に肉薄した。多くのブルーカラーが中道のマクロン大統領やル・ペン氏ではなく、急進左派のメランション氏や共産党候補を支持した。
国民連合は国民議会(下院)の少数政党に過ぎず、現在の議席数はわずか8議席である。しかし、ル・ペン氏の善戦と国の分断がさらに進んだことで議席を伸ばすと期待されている。
国民議会の第一党はマクロン大統領の共和国前進。6月の選挙では単独過半数を維持できるかどうかが焦点になる。
ル・ペン氏は移民を厳しく取り締まり、EUとNATOにおけるフランスの役割を減らすという公約で物議を醸した。
左派はマクロン大統領の政策を否定する一方、ル・ペン氏が当選すれば大変なことになるという思いで投票した。
ル・ペン氏はウクライナへの兵器供与に強く反対している。
ル・ペン氏の目標は「フランス・ファースト」「欧州のフランス」を作ることであり、現在のシステムをより内向きで愛国的なものに変更し、EUに与えられたいくつかの権限を返還し、あわよくばEUから離脱したいと考えていた。
ル・ペン氏と親しいイタリアの極右指導者マッテオ・サルヴィーニ氏は24日のツイートで、このビジョンを達成する共通のプロジェクトを継続すると約束した。「ル・ペンさん。仕事、家族、安全、権利、自由を基盤とする欧州のために、共に前進しよう!」
ル・ペン氏は24日の演説で他の右派(主に共和党)の「愛国者」たちに、「議会選でマクロンの過半数を阻止しよう」と呼びかけた。
しかし、この対マクロン作戦は大統領選でル・ペン氏と決別した人々には適用されない可能性が高い。
反移民、反ゲイ、反イスラムを推進する極右のゼムール氏はル・ペン氏を嘲笑し、マクロン大統領を倒す右派同盟を結成すると呼びかけている。ゼムール氏は親プーチン政策で大きくつまずき、10日の第1ラウンドで姿を消した。
ル・ペン家のお家騒動で注目を集めたマリオン・マレシャルルペン氏もゼムール氏を支持したひとりであり、右派同盟を創設するための会議を呼びかけている。マレシャルルペン氏はル・ペン氏の「めい」である。
国民議会選の投票は6月12日と19日の2回に分けて行われる。
12日の投票で過半数を獲得した候補は当選。いなければ「しきい値」の12.5%を上回った候補が19日の投票に進む。