◎バイデン政権の閣僚がウクライナを訪問するのは2月24日の開戦以来初めて。
ウクライナ政府は24日、米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官が24日遅くにキーウを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談したと明らかにした。
バイデン政権の閣僚がウクライナを訪問するのは2月24日の開戦以来初めて。
ゼレンスキー大統領は米国により強力な重火器の供与を求めている。一方、ロシアは米国に兵器供与を停止するよう要求しており、さらなる供与は不測の事態に発展する可能性があると警告している。
大統領顧問は24日に公開したユーチューブ動画の中で、「両長官はゼレンスキー大統領と会談している」と明らかにした。ホワイトハウスはまだ声明を発表していない。
ゼレンスキー大統領は23日の記者会見で両長官と会談すると明らかにし、兵器と安全保障の両面で米国に成果を期待すると述べた。「ケーキやプレゼントではなく、具体的なもの、具体的な兵器を期待しています...」
ゼレンスキー大統領が米政府高官と直接会ったのは、侵攻が始まる5日前、2月19日にミュンヘンでハリス副大統領と会談したのが最後であった。
西側諸国はウクライナに多くの装備や兵器を供与しているが、ゼレンスキー大統領は強力なロシア軍に対処するためには、長距離防空システムや戦闘機など、より強力な重火器が必要だと強調している。
ゼレンスキー大統領は東方正教会の復活祭を祝う演説で、「光は闇に勝ち、善は悪に勝ち、命は死に勝ち、したがってウクライナは必ず勝利する!」と国民に呼びかけた。
それでも、戦争は復活祭に影を落とした。
ロシア軍の戦車が道路に散乱している首都キーウ近郊の村では、生き残った住民が犠牲者を悼んだ。AP通信の取材に応じた女性は「何の喜びもない」と語った。「私たちは泣いています。何もありません。彼らはなぜ殺されなければならなかったのですか?」
ロシア軍は24日、要塞や拠点を含むウクライナの標的423カ所を一晩で攻撃し、爆薬工場や砲撃基地などウクライナ軍施設26カ所を破壊したと主張した。
キーウの敗走以来、ロシア軍は東部ドンバスの完全支配を目指している。プーチン大統領は開戦直前、東部のテロ国家であるルガンスク人民共和国とドネツク人民共和国の独立を公式承認した。
またロシア軍は、南東部の港湾都市マリウポリにたてこもるウクライナ兵と市民への空爆を再開している。アゾフスタル製鉄所には市民1000人とウクライナ兵2000人がたてこもっているとされる。
大統領顧問はテレグラムに投稿した声明で、「ロシア軍はマリウポリの人道回廊設置や、製鉄所のウクライナ兵とロシア兵捕虜の交換を含むウクライナの提案には今のところ応じていない」と述べている。
一方、国連のグテレス事務総長は25日にトルコを訪問し、その後モスクワとキーウで首脳と会談する予定である。ゼレンスキー大統領はウクライナより先にロシアを訪問するのは間違いとグテレス氏を批判した。
アゾフ海に面するマリウポリが陥落すれば、ロシアはテロ国家と2014年に併合したクリミア半島を結ぶ陸上回廊を形成できる。ウクライナは貿易の拠点をひとつ失うことになる。
またロシア軍は、ウクライナと国境を接するモルドバの分離主義国家「沿ドニエストル」とドンバルを結ぶさらに巨大な陸上回廊を形成したいと示唆している。
これが実現すればウクライナは黒海に面する南部の貿易拠点オデーサも失うことになるため、世界の穀物貿易に壊滅的な影響が出ると予想されている。
ゼレンスキー大統領はオデーサの住宅地に対するミサイル攻撃で生後3カ月の乳児が死亡したと明らかにし、ロシア軍を「ろくでなし」と呼んだ。
報道によると、乳児の母親と祖母の死亡も確認された。
東方正教会とカトリックの指導者は24日、ウクライナの救済を世界に呼びかけた。
コンスタンティノープル総主教バルトロメオ1世はイスタンブールからイースター停戦を呼びかけた。
フランシスコ教皇も日曜礼拝で停戦を呼びかけ、国際社会に平和に向けた取り組みを加速させ、ウクライナの人々を支援するよう訴えた。