◎選挙結果は25日中に確定する見込みで、新参者の野党「自由運動」が新たな連立政権を率いる可能性が高くなった。
2022年4月21日/スロベニア、首都リュブリャナ、ヤネス・ヤンシャ首相に引退を勧めるポスター(Getty Images/AFP通信)

スロベニアの公共放送は24日、議会選挙の出口調査を公表し、リベラル派の野党が極右ヤネス・ヤンシャ首相率いる与党に勝利する見込みと報じた。

公共放送スロベニアと世論調査会社のデータによると、2021年の発足した野党「自由運動」が有効票の35.8%、与党のスロベニア民主党(SDS)は22.5%で、有権者の極右離れが鮮明となった。

同じく極右の新スロベニア党は6.8%、社会民主党は6.6%、左翼党は4.4%。議席の獲得に必要な「しきい値」は4%。

選挙結果は25日中に確定する見込みで、新参者の自由運動が新たな連立政権を率いる可能性が高くなった。

一方、国を右傾化させたと非難されているポピュリストのヤンシャ首相は厳しい現実を突きつけられることになりそうだ。

有権者はEUの政治的分断が進む中、選挙に高い関心を示した。報道によると、有権者の50%近くが午後半ばの時点で投票を済ませたという。

投票前の調査では、単独で政権を樹立できる政党はなく、少なくとも3~4党による連立政権を樹立する必要があると予想されていた。

ヤンシャ首相は24日、首都リュブリャナの投票所で記者団の取材に応じ、「この選挙は今後10年のスロベニアの発展を決める重要な戦いになる」と語った。

ドナルド・トランプ前大統領を敬愛するヤンシャ首相は2年前、リベラル派の前任の辞任を受け、就任した。

ヤンシャ首相の主要な挑戦者は、米国で教育を受けた元企業経営者で、自由運動を率いるロバート・ゴロブ氏であった。自由運動はヤンシャ首相の内向きなスロベニア・ファースト物語に反発し、グリーンエネルギーへの移行と持続可能な開発を提唱している。

SDSは4年前の選挙で最多得票を獲得したが、他党の協力を得られず、連立政権の樹立に失敗した。

ヤンシャ首相は2020年の連立政権崩壊でリベラル派のシャレツ氏が辞任した後、権力を握った。

ヤンシャ首相はその後、ポーランドの盟友オルバーン首相にならって権威主義的な支配を確立し、反対派や公共放送に圧力をかけ、国家機関を支配するために自分に忠実な人物を重要ポストに据えた。

自由主義者たちは24日の選挙をスロベニアの将来を決める国民投票と呼んでいる。

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