◎スリランカは対外債務の処理に苦労している。
スリランカのラジャパクサ大統領は18日、デモ隊の辞任要求を却下し、新内閣を発足させた。
スリランカは1948年の独立以来最悪の経済危機に直面している。
ロイター通信などによると、新大臣17人の中にラジャパクサ一族は含まれないものの、多くの与党有力議員が復権した。
ラジャパクサ大統領の兄弟であるマヒンダ・ラジャパクサ首相も辞任要求を却下し、権力を維持している。
ラジャパクサ兄弟は先々週、野党に「挙国一致内閣で危機を乗り切ろう!」と提案したが、拒否された。
スリランカの外貨準備は後先考えない無謀な減税、外貨を獲得できない事業への投資、主要産業の観光業がコロナで打撃を受けたことなどにより急減した。
その結果、食料や燃料の輸入代金を支払うことができなくなり、深刻な食料、燃料、医薬品、その他の日用品不足が発生した。
電力会社は燃料を確保できず停電が常態化し、インフレは加速し、ガソリンスタンドでは大渋滞が発生している。
政府は先週、対外債務の支払いを一時的に停止すると発表した。政府は18日から国際通貨基金(IMF)との融資協議を開始する予定である。
証券取引所も18日から1週間閉鎖されることが決まった。
ラジャパクサ兄弟の辞任を求めるデモは4月上旬に本格化し、その後内閣はデモ隊が暴力を受けたことなどに抗議し一斉に辞任したが、兄弟は権力の座にしがみついた。
新内閣の発足はデモ隊の圧力には屈しないというラジャパクサ兄弟の意志を表している。
また、ラジャパクサ家とつながりの深い一部メディアは18日、首都コロンボの平和的な抗議デモを「パーティー」と呼び、テロ組織から資金提供を受けているとほのめかした。
コロンボの抗議デモには連日数千人が参加している。
ラジャパクサ大統領は今月、豪華な自宅の近くでデモ隊が暴れたことに懸念を表明し非常事態を宣言し、夜間外出禁止令を出し、さらにソーシャルメディアを一時的にブロックした。
デモ隊はこの措置に激怒し、夜間外出を無視して激しく抵抗し始めたため、大統領はまもなく措置をすべて撤回した。
ラジャパクサ兄弟は「新内閣で危機を乗り切ろう!」と国民に呼びかけたが、デモが収束する気配は見られず、火に油を注いだように見える。
批評家たちは、「国民は権力者の腐敗とラジャパクサ家の縁故採用にウンザリしている」と指摘している。
一族による権力の独占と富の誇示は国民の怒りを増幅させるばかりである。
21人の閣僚は全員男性である。前内閣の女性大臣は1人だった。