◎マリウポリの人口約45万人のうち、推定10万人が市内に閉じ込められていると推定されている。
2022年4月13日/ウクライナ、首都キーウ郊外のブチャ(Rodrigo Abd/AP通信)

ウクライナ政府は17日、ロシア軍のマリウポリに対する降伏勧告を却下し、最後まで絶対に諦めず戦い続けると誓った。

ロシア軍は南東部マリウポリのウクライナ軍の拠点とされている製鉄所を包囲したと主張し、速やかに武器を捨て降伏するよう求めていた。

ロシア軍は2014年に併合したクリミア半島と東部ドンバスのテロ国家(ルガンスクとドネツク)を陸上回廊で結びたいと考えており、その中間に位置する港湾都市マリウポリの占領を目指している。

ウクライナのデニス・シュミハリ首相は17日に放送された米ABCニュースのインタビューの中で、「我々はこの戦争に勝つまで戦う」と誓った。

シュミハリ首相は、ウクライナは外交で戦争を終結させる用意があると述べる一方、「絶対に降伏しない」と約束した。

ロシア軍は東部ドンバスの支配を確立するために、マリウポリを含む地域の拠点を攻撃し続けると予想されている。

ウクライナ軍はマリウポリの犠牲者を少なくとも21,000人と見積もっている。開戦から数週間後、ロシア軍はマリウポリの産科病院、民間人数百人が避難していたとされる劇場を空爆した。

マリウポリの人口約45万人のうち、推定10万人が市内に閉じ込められていると推定されている。赤十字社などによると、市内の食料、水、暖房、電気の供給は滞り、餓死者が出る可能性もあると指摘している。

ロシア国防省の報道官は16日、マリウポリに対する最後通告について、「抵抗を続ける者はすべて破壊される」と述べ、現地のウクライナ軍に降伏を呼びかけた。

ウクライナの国防副大臣はマリウポルを「ウクライナを守る盾」と呼び、ロシア軍は東部ドンバスを支配するために是が非でもマリウポリを攻め落としたいと考えていると述べた。

一方、ロシア軍は旗艦「モスクワ」の沈没後、キーウ近郊への空爆を強化し、ゼレンスキー大統領に圧力をかけようとしている。

ウクライナはネプチューンミサイルでモスクワを撃沈したと主張しているが、事実か否かは分かっていない。米国防総省はウクライナの主張を認めているものの、ロシアはこれを否定している。しかし、モスクワの屈辱的な沈没がロシアの怒りに火をつけたことは間違いない。

ロシア軍は17日、キーウ近郊の弾薬工場を精密誘導ミサイルで攻撃したと発表した。

また、今月初めのロケット弾攻撃(駅近く)で多くの民間人が死亡した東部クラマトルスクでも16日深夜に爆発が報告された。

北東部ハリコフでも17日に砲撃が報告され、当局によると、少なくとも5人が死亡、数人が負傷した。砲撃はアパートを直撃し、火災が発生した。

またロシア軍は、ハリコフ近郊でウクライナのMiG-29戦闘機2機を撃墜し、ドネツク州の北部の町のウクライナ軍司令部2カ所とS-300地対空ミサイル用レーダーシステムを破壊したと主張した。ウクライナ軍はこの主張に関する声明を発表していない。

ウクライナの国防副大臣は、「ロシアはマリウポルを占領し、地上部隊を強化するために海軍の上陸を計画している可能性がある」と指摘した。

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