◎トルコ政府はウクライナを支持しているが、オリガルヒのスーパーヨット拿捕を含む西側の対ロシア制裁にも反対している。
トルコの現地メディアは16日、ロシアのアルミニウム王と関係のあるスーパーヨットがトルコ南西部のリゾート地近くに到着したと報じた。
ロシアのオリガルヒは西側の経済制裁を回避するために、制裁を科していない国にスーパーヨットを避難させている。
ソーシャルメディアには「ネプチューンミサイルを撃ち込め」「迎撃せよ」などといった投稿が相次いで寄せられた。ネプチューンミサイルはロシアの旗艦「モスクワ」を撃沈したとされるウクライナのミサイルである。
ロシアの巨大アルミニウム企業ルサールの創業者であるオレグ・デリパスカは米国、イギリス、EUの制裁下に置かれている。
アルジャジーラによると、デリパスカのスーパーヨット「クリオ(全長73m)」は南西部ムーラ県の沖合に停泊したという。
トルコにはロシアとウクライナの停戦交渉にサプライズ出演したロマン・アブラモビッチとつながりのあるスーパーヨット2隻も停泊している。
NATO加盟国のトルコはロシアとウクライナとの良好な関係を維持しており、停戦交渉を仲介することで国際社会にアピールしている。
トルコ政府はウクライナを支持しているが、オリガルヒのスーパーヨット拿捕を含む西側の対ロシア制裁にも反対している。
トルコはロシア産エネルギーと観光客に大きく依存しており、制裁から逃れたオリガルヒの避難所として注目を集めている。オリガルヒはトルコの不動産を買いあさっているようだ。
米国は今月4日、スペイン領バレアレス諸島に潜伏していたロシアンスーパーヨット「タンゴ」をスペイン当局と協力して押収した。
米司法省によると、ロシアの大富豪ヴィクトル・ヴェクセリベルクは2011年にタンゴを購入し、ペーパーカンパニーを介して同船を所有していたという。
フランスは3月上旬、EU制裁に違反し、地中海のラ・シオタ港を出港しようとした国営石油会社ロスネフチの社長イーゴリ・セチンのスーパーヨットを手に入れた。