◎浮体式LNGターミナルは、海洋ガス田から産出した天然ガスを運搬に適したLNGへと冷却し液化する設備を搭載した浮体式設備である。
2010年3月2日/フィンランド沖、LNGタンカー(Getty Images/AFP通信)

フィンランドとエストニア政府は7日、ロシア産エネルギー依存を解消するため、浮体式液化天然ガス(LNG)ターミナルの共同レンタルを計画していると発表した。

浮体式LNGターミナルは、海洋ガス田から産出した天然ガスを運搬に適したLNGへと冷却し液化する設備を搭載した浮体式設備である。

フィンランドのリンティラ経済大臣とエストニアのアース大臣は声明の中で、「移動可能な浮体式LNGターミナルは天然ガスを確保する解決策のひとつである」と述べている。

また両大臣は、「ロシアのウクライナ侵攻によるガスパイプラインの遮断に備える必要がある」と強調した。

計画によると、浮体式LNGターミナルはフィンランドとエストニア間のフィンランド湾のどちらかの岸に設置されるという。

エストニアが支払うターミナルの年間賃借料を約1,000万ユーロ(約13億円)と見積もられている。

リンティラ経済大臣はフィンランド国営放送のインタビューの中で浮体式LNGターミナルに期待を表明した。「フィンランドのガスの使用量はエストニアの約5倍です。この巨大ターミナルはバルティックコネクター・ガスパイプラインとともにフィンランドのガス需要を保証するでしょう」

バルティックコネクターは2019年に運転を開始したフィンランドとエストニアを結ぶ双方向の海底ガスパイプラインで、両国のガス需要に対応している。また両国の電力網も2本の海底電力ケーブルでつながっている。

リンティラ経済大臣は、「バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)はすでにロシアの天然ガスの使用を停止しており、フィンランドも今年後半に予定されている浮体式LNGターミナルの稼働に合わせて停止する準備を進めている」と説明した。

フィンランドはロシアの天然ガスを主に工業部門で使用している。

リトアニアは先週、ロシア産天然ガスの輸入停止を発表し、ロシア産エネルギーを完全に断ち切った最初のEU加盟国になった。

ラトビア政府によると、同国とエストニアも4月2日時点でロシア産天然ガスの使用を停止しているという。

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