◎中国東方航空5735便は昆明市から広州市に向かっていた。
中国政府は23日、広西チワン族自治区の山間部に墜落した中国東方航空5735便のブラックボックスの一部を回収したと明らかにした。
乗客乗員132人を乗せた5735便は21日午後2時20分頃に墜落した。機種はボーイング737-800型で、当局は中国東方航空に同機種の飛行禁止を命じている。
現時点で生存者は確認されていない。
中国民用航空局の朱 涛局長は記者団に、「機内にある2つのブラックボックスのうち1つを回収した。外箱と保管部品は損傷していたが、内部の損傷は比較的浅い」と説明した。
ブラックボックス(フライトデータレコーダーとコックピットボイスレコーダー)には通信記録などのデータが保存されており、通常、墜落時に破損しにくい尾翼に設置されている。
朱 局長は事故原因を特定するためにフライトデータレコーダーの捜索を続けると述べた。
フライトデータレコーダーは、飛行機の対気速度、高度、上下の方向、パイロットの行動など、システムに関するすべての情報を記録する。
コックピットボイスレコーダーは、一般的にパイロットのヘッドセットとオーバーヘッドマイクから音声を収集し、音声、警告音、エンジン音、スイッチの操作音などの背景音を記録する。
捜索作業は天候不良により難航している。
広西チワン族自治区の消防・救助責任者は記者団に、「墜落地点は木々が生い茂り、雨の影響で視界と足元も悪く、救助活動は難航している」と語った。
AP通信によると、乗員の体調に問題はなく、機体も当局の規則に基づくメンテナンスを行い、異常は報告されていなかったという。飛行中の天候は良好で、パイロットは急降下するまで航空管制官と定期的に通信していた。
飛行追跡サイトFlight Radar24.comのデータによると、5735便は現地時間21日午後2時20分頃に急降下した。直前の高度は約3万フィート、速度は455ノット(842km/h)で、降下し始めてから96秒後にデータ送信を停止した。
朱 涛局長は記者会見の中で、「航空管制官は5735便の急降下を確認した後、何度も通信を試みたが、応答はなかった」と説明した。
中国東方航空はボーイングを600機以上保有し、そのうち109機が737-800である。運輸省は21日、同社に737-800の飛行禁止を命じた。
同社の会長は23日の記者会見で、「飛行禁止命令は737-800に問題があるという意味ではない」と強調した。
ボーイング737-800は1998年に運用を開始し、安全性には定評がある。2018年と2019年の墜落事故で2年近く世界中で飛行を禁じられた737MAXの初期モデルである。
中国東方航空は中国でトップ3に入る航空会社で、国内外で数多くの路線を運航しており、737-800の飛行禁止はコロナウイルスの影響で縮小している国内路線をさらに混乱させる可能性がある。